研究課題
1)当初予定していた免疫系遺伝子Shn-2 (Schunurri-2)のヘテロ欠損に加え、統合失調症の疫学研究により最もよく知られるリスク因子のひとつである母体のインフルエンザ感染に着目をし、母体炎症の履歴にストレスが加わり思春期に発症するという臨床を模したモデルを新たに確立させた。当モデルは単一遺伝子の欠損よりもなお広範な臨床的信憑性を持つため、今後の実験で得られる結果により社会的な意義が増した。2)上記2種類のモデルを用い、製薬会社と共同研究契約を締結し、当研究テーマに沿う作用機序を想定した化合物2種を用いて薬理行動試験・生体イメージングによる検証を推進してきた。うち1種の化合物についてはすでに行動試験において有望な結果が得られており、その考察についても密にやり取りをしながら進めてきている。このように実際に基礎研究の結果から臨床応用を見据えるような進捗が得られており、期待以上の成果であったといえる。3)本研究の着想にあたり着目してきた脳免疫細胞ミクログリアについて、その突起がどのように神経細胞シナプスの恒常性・可塑性を保つのか、マウス運動学習の系を用い神経細胞・アストロサイトとの連関にも考察を広げながら実験を進め、国際誌に論文投稿に至った。現在追加実験を進めており、2022年5月には再投稿・出版予定である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Brain and Nerve
巻: 73(8) ページ: 913-919
10.11477/mf.1416201861