研究実績の概要 |
前年度に続き、ケミカルスクリーニングを用いた吸器形成阻害物質の探索と、Striga-DMBQ培養液に含まれるペプチド性の吸器誘導物質の単離・同定を行った。ケミカルスクリーニングを用いた吸器形成阻害物質の探索では、全9,920化合物のスクリーニングから、吸器形成阻害物質として、5化合物を単離することができた。これらの中で、単離されたフルスルファミドの試験を行った。フルスルファミドはすでに根こぶ病の農薬として日本で認可・販売されている実績があり、今後の応用に非常に優位であると考えられるため、この化合物を優先的に試験を行った。しかし、試験濃度の決定に時間がかかったため、フルスルファミドの詳細な吸器誘導能を量ることは容易ではなかった。 次に、Striga-DMBQ培養液に含まれるペプチド性の吸器誘導物質の単離・同定を行った。これまでのプロテオーム解析により得た3つの候補ペプチドを人口合成し、ストライガにおける吸器誘導活性を調べた。しかし、吸気誘導活性は認められなかった。HPLCに用いる有機溶媒の調査、次に、Striga-DMBQ培養液の最適な濃縮方法の模索を行った。最終的に、ペプチド性の吸器誘導物質の単離・同定をすることはできなかった。
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