研究課題/領域番号 |
20J13519
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
向 亮 東京農工大学, 大学院生物システム応用科学府, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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キーワード | HRG / 好中球 / ウマ / ELISA / SIRS |
研究実績の概要 |
1) ウマ HRG の好中球に対する機能解析: ウマ血液から分離した好中球を用いて、好中球の接着性・遊走性・ROS 産生・貪食作用・Lysosome の酸性化に対する ウマHRG の作用を解析した。その結果、ウマ HRG は好中球の接着性・遊走性・ROS 産生を抑制する一方、貪食作用やLysosome の酸性化は促進することが判明した。このことから、ウマ HRG は好中球の様々な活性を正負に調節することが示唆された。この研究成果は Journal of Equine Veterinary Science に掲載された。現在、これらの結果を元に受容体候補分子の検討中である。 2) ウマ HRG 定量系の確立: ウマ血漿中 HRG の定量化を目的として、ウサギ抗ウマ HRG ポリクローナル抗体を 3 種作製した。この抗体を用いてサンドイッチ ELISA 法の作製を試みたが、抗体の組み合わせが上手くいかず、系の確立には至らなかった。現在は、ダイレクト ELISA 法、あるいは競合的 ELISA 法による系の検討を行っている。 3) 変異体 HRG の機能解析: ウマ線維芽細胞株 NBL-6 にウマ HRG 遺伝子およびハイグロマイシン 耐性遺伝子を導入し、安定発現細胞株の作製を試みたが、十分な発現量が得られなかった。そこで、遺伝子導入細胞をより明確に分取するために、蛍光色素共発現型のベクターを作製した。これにより、遺伝子導入細胞は蛍光による識別と分取が可能となる。現在、野生型・欠損型両方のベクター構築が完了しており、ウマ HRG 安定発現細胞の作製中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、好中球の様々な活性に対するウマ HRG の機能を解明している。また、抗ウマ HRG ポリクローナル抗体、野生型・欠損型 HRG 発現ベクターの作製に成功している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究を引き続き推進し、ウマ HRG 定量系の作製、野生型・欠損型ウマ HRG の組換え体作製、およびそれを用いた機能解析を実施し、得られた成果を国際的学術雑誌に掲載する。
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