研究実績の概要 |
令和2年度は,対話的作業教示のための教示インターフェースの提案・設計・開発と,遠隔操縦教示のための遠隔操縦システムと作業記憶活用管理システムの開発を行った.以下にそれぞれの概要について記す. まず本研究で開発した教示インターフェースは,これまでのロボットの手先座標を操縦するインターフェース(手先指向型インターフェース)とは異なり,対象物体の接触状況や位置・姿勢などの幾何物理拘束を直接表現する対象物体指向型インターフェースである.この教示インターフェースは各面に実装されている近接センサと中央に配置されたIMUを用いることでユーザ・環境からの接触と位置・姿勢変化を計測し,その計測データに基づいて教示インターフェースに対してユーザが表現している幾何物理拘束と同様の拘束を実現するようにロボットが対象物体を操作する.提案した教示インターフェースを用いることで,ユーザはあたかも対象物体が目の前にあるかのように,教示インターフェースに対して操作を行い,ロボットはユーザが教示インターフェースに対して行った操作をと同様の操作を対象物体に対して行うことができる. さらに,本年度は対話的作業教示の中でも特に遠隔操縦に着目し,VRデバイスを用いた遠隔操縦における遠隔操縦システムを開発し,日本科学未来館から約10km離れた東京大学にある遠隔ロボットをロボット経験の少ない一般参加者に操縦してもらい,その操縦に基づく作業記憶を管理活用するシステムの基盤を構築した.本実験ではロボット経験の少ない一般参加者でもロボットを操縦しやすい視聴覚統合型遠隔操縦システムを開発し,遠隔操縦システムのユーザビリティを評価軸とした評価手法を提案した.
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