研究実績の概要 |
本研究では、硫黄を配位元素とした金属-有機構造体(S-MOF)の合成し、可視光吸収特性や光導電性など特異な物性を持つMOFの開発を目指した。 本年度は、特に金属イオンとしてPbイオンに注目して新規S-MOFの合成とその基礎物性評価を行った。 またMOFの特徴として、結晶構造中に分子を取り込んだ際にその構造が大きく変化する”構造柔軟な”MOFがある。本年度では、構造柔軟なS-MOFの合成に取り組んだ。配位子中に長鎖のアルキル鎖を導入した配位子(6-dibutylamino-1,3,5-triazine-2,4-dithol)を用いて合成に取り組んだ。このS-MOFは、吸着測定により水を選択的に吸着し、その過程で大きく結晶構造が変化することを明らかにした。これより、従来のMOFと同様にS-MOFにおいても構造柔軟性を示すMOFが合成可能なことを明らかになった。
|