研究課題/領域番号 |
20J13923
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小室 博明 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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キーワード | アパタイト / 細胞外小胞 / 心筋細胞 / 遺伝子デリバリー |
研究実績の概要 |
本年度は、心筋細胞への細胞外小胞とアパタイトのそれぞれの持つ遺伝子デリバリーベクターとして能力の特徴を明らかにすることを目指し、細胞外小胞およびアパタイトにおける条件最適化やベクターや運搬物質(核酸)の解析を行った。細胞外小胞については、心筋細胞への取り込みについて蛍光ラベルした細胞外小胞はフローサイトメトリーを用いて測定した。その結果、時間依存的に細胞外小胞は4hほどで全ての細胞に取り込まれていることがわかった。細胞外小胞は生体適合性が高いことがこの結果から示唆されるがどの細胞・組織へも取り込まれてしますことが課題であり、それを改善するために細胞・組織特異的なターゲティングペプチドを細胞外小胞膜に配列することを試みた。ペプチドを配列した細胞外小胞はより標的細胞・組織にデリバリーできることを明らかにした (Nanotheranostics 2021)。また、アパタイトについては心筋細胞へのデリバリーするナノサイズの材料を作製し、in vitro心筋細胞系に置いて遺伝子導入に影響する細胞取り込み機構について明らかにすることができた (Beilstein Journal of Nanotechnology 2021)。以上のことから、この2つの材料が持っているデリバリーベクターとしての能力を明らかにすることができた。今後、複合体に核酸分子を担持させたベクターを作製し、それらが持つ遺伝子デリバリーベクター能力について培養細胞、動物実験を用いて検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
採用1年目は、遺伝子キャリアの作製をして心筋細胞株へ細胞取り込み試験や遺伝子導入試験を行いことである。遺伝子キャリアとしてのをナノアパタイトと細胞外小胞を作製し、培養細胞系にてキャリアとして可能性を示すことができている。それらの個々の性質などについては確認することができているが、複合体の解析については充分な検討することができずに当初の計画よりはやや遅れていると判断した。そのため、今後実験では早急に複合体作製の検討を行っていく。動物試験については、細胞外小胞で既に確立しており、当初の計画に間に合わせることが可能であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
採用2年目は、1年目に得られた成果から新たに複合体の作製に取り組む。作製したベクターは心筋細胞への遺伝子導入効率をEGFPを用いて評価し、細胞障害性等の関する検討を行う。マウス実験は、複合体の体内動態については細胞外小胞を Gaussia luciferase(gLuc)またはDilでラベルすることで心臓へのデリバリーを評価する。導入遺伝子効率については組織から核酸抽出してqPCRを用いて評価する。投与方法はどのベクターにおいてもより特異的にターゲット部位へ送達するためには必要である。そこで初め静脈内投与を考えているが、心筋の直接の投与についても検討していきたいと考えている。
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