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2021 年度 実績報告書

絶滅危惧種の保全と害虫防除の両立に向けた畦畔管理の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20J14661
研究機関東京大学

研究代表者

出戸 秀典  東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワードメタ個体群 / ミヤマシジミ / 絶滅危惧種 / 生息地ネットワーク / 保全優先地 / 高刈り / 生息地の質
研究実績の概要

本研究は、希少種ミヤマシジミの保全と水田害虫の低密度化の両立を可能とする管理体系を確立することを目的としており、当該年度の結果からミヤマシジミ保全に資する適切な畦畔管理体系の理解が大きく進んだ。
メタ個体群を形成するミヤマシジミの局所個体群の生息地における3年間(9世代分)の草刈り実験を通して、実験区のうち半数以上で局所個体群サイズの有意な増加トレンドが見られ、その結果、モジュール構造を考慮した生息地ネットワークの中心性指標も有意に増加した。したがって適切な撹乱頻度・タイミング・強度を同時実現できれば、局所個体群サイズを増加させ、メタ個体群のハブとなる生息地パッチを生み出すことができることが示唆された。
地際刈り・10cm高刈り・20cm高刈りの3つの処理を施した実験区では、10cm高刈りでミヤマシジミ幼虫密度が最も高く、ヤドリバエによる寄生もセンチュウによる寄生も高刈り区で有意に多いことが分かった。ヤドリバエの寄生を減らすには共生アリの随伴が、センチュウによる寄生を減らすには好天が効くことも示唆され、適切な撹乱強度によって生息地の質を改善できる可能性も明らかとなった。一方で、共生アリの密度は実験を行った3年間で、どの処理においても有意な変化は認められず、撹乱が生息地の質を変化させるには数年以上の時間を要する場合もあることが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Fine‐scale population fragmentation of a grassland butterfly Plebejus argyrognomon inhabiting agricultural field margin and riverbank in rural landscapes2021

    • 著者名/発表者名
      Miyashita Tadashi、Matsui Fuga、Deto Hidenori、Imai Tatsuya、Kondo Natsuko I.
    • 雑誌名

      Entomological Science

      巻: 24 ページ: 382~390

    • DOI

      10.1111/ens.12491

    • 査読あり
  • [学会発表] ミヤマシジミの動的な生息地ネットワーク:15世代にわたるモジュール構造の変化2022

    • 著者名/発表者名
      出戸秀典・宮下直
    • 学会等名
      日本生態学会
  • [学会発表] 異なる植生構造下でのミヤマシジミ・アリ・寄生者2種の相互作用の変動要因2022

    • 著者名/発表者名
      葉雁華・出戸秀典・宮下直
    • 学会等名
      日本生態学会

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公開日: 2022-12-28  

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