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2021 年度 実績報告書

海洋環境条件と個体群交流がケンサキイカの資源変動に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 20J14792
研究機関東京大学

研究代表者

Pang Yumeng  東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワードケンサキイカ / 生活史特性 / 個体群間の交流 / 資源量変動
研究実績の概要

沿岸性イカ類のうち、ヤリイカ科のケンサキイカは日本の沿岸漁業資源として重要である。ケンサキイカの資源量は長期的な気候変動の影響を受け変動することが知られている。しかし、海洋環境に対し資源量が応答する生物学的なメカニズムはまだ明らかとなっていない。ケンサキイカの生態に関しては、単一の個体群を扱った先行研究はあるが、地域個体群間の生活史特性の違いに関する研究はこれまでに無い。また、近年台湾から日本への個体の移動を示唆する例が報告されているが、台湾から日本への個体の移動はどのように各地域個体群の資源量に影響するか、また個体群間でどのぐらい交流しているのかは不明である。そこで、本研究は、対馬と台湾のケンサキイカ個体群に着目し、海洋環境条件に起因する生活史特性の変化がケンサキイカの資源量変動にどのように影響するか、個体群間の交流がどのように資源変動に影響するかを明らかにすることにより、ケンサキイカの資源変動メカニズムを解明することを目的とした。
本研究の結果、温暖な環境では雌雄ともに速く成長し小型で成熟するが産卵量は増加するため、再生産効率が高まり、ケンサキイカ資源量に正の影響をもたらすと考えられた。また、平衡石の微量元素分析から各個体群の経験環境を推定することにより、対馬で漁獲された個体の多くが台湾かそれ以南で孵化した可能性が高いことを明らかにし、台湾個体群との強い交流を示した。ケンサキイカは台湾以南がsource、日本がsinkとなるメタ個体群の構造を持っており、日本の資源量は南方からの輸送量に大きく依存していることを明らかにした。
本研究によって資源量変動に対する地域個体群間の交流の重要性が示され、沿岸漁業資源における多国間管理の必要性が強く示唆された。本研究の成果は、適正な漁業管理と資源予測を通じた持続可能な利用に寄与することが期待できる。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Environmental influence on life-history traits in male squid Uroteuthis edulis with alternative reproductive tactics2022

    • 著者名/発表者名
      Pang Yumeng、Chen Chih-Shin、Kawamura Tomohiko、Iwata Yoko
    • 雑誌名

      Marine Biology

      巻: 169 ページ: 1-12

    • DOI

      10.1007/s00227-022-04017-y

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Evaluating the influences of experienced environments on Uroteuthis edulis life-history traits by statolith trace elements analysis2022

    • 著者名/発表者名
      Yumeng Pang, Yusuke Yokoyama, Takahiro Aze, Takahiro Irie, Chih-Shin Chen, Tomohiko Kawamura, Yoko Iwata
    • 学会等名
      Cephalopod International Advisory Council
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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