令和3年度の研究実績は、超新星爆発からのニュートリノ計算をブラックホールができる場合にも適用するため、Hernandez-Misnerメトリックを使ったシミュレーションコードの開発した。これは、現在の超新星爆発計算でよく使われるMisner-Sharpメトリックはブラックホールができると発散してしまい、それ以上計算できないが、Hernandez-Misnerメトリックでは事象の地平面を避けるように発展するのでブラックホールが形成された後も周囲の物質からのニュートリノ放射を計算することができる。超新星爆発の計算は、長らく中性子星が残る場合についてのみ長時間計算をされており、ブラックホールができる場合についてはブラックホールの形成直前の1秒程度しか前述の問題によって計算されてこなかった。本研究が完成すれば世界で初めてブラックホールからのニュートリノがブラックホール形成以降も計算することができる。ブラックホールからのニュートリノ放射は、世界中のニュートリノ検出器で検出を目指す超新星背景ニュートリノ計算の予言と宇宙の星形成の歴史を紐解くうえで重要である。 今回は、開発の第一段階として流体計算の実装を行った。そしてこの実装が正しいかどうかを確かめるために、圧力がない物質の重力崩壊の計算のHernandez-Misnerメトリックでの厳密解を求めた。そして、シミュレーション結果と比較をして正確に実装できているかの試験を行い。両者が一致していることを確かめた。 この研究の次の段階としてニュートリノ放射の計算の実装を行う。
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