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2020 年度 実績報告書

海洋ごみ調査手法の調和化

研究課題

研究課題/領域番号 20J15055
研究機関東京海洋大学

研究代表者

黒田 真央  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワード海洋ごみ / 海洋汚染 / プラスチック / 漂流ごみ / 海底ごみ / マイクロプラスチック / ニューストンネット
研究実績の概要

本研究では、(1)調査方法調和化に向けた情報集約を行い、(2)調査手法の調和化に必要なパラメータを明らかにするために、①漂流ごみ、②漂流マイクロプラスチック、③海底ごみのそれぞれで、(1)によって得られた比較すべき調査手法を同一海域で同時に実施した。
(1)では、比較・検討すべき調査手法を明らかにするため、これまで世界の各海域で実施されてきた海洋ごみに関する調査論文から、調査手法に関する情報収集を行い、主要な調査手法を整理した。この結果、漂流ごみの目視観測では22本、漂流マイクロプラスチックのネットサンプリングに関する研究では33本、海底ごみの調査に関する論文では26本の論文を取りまとめ、比較すべき項目を明らかにした。また、最終目標である世界の海洋ごみ実態量の比較を行うために、これまでに行った日本周辺海域での漂流ごみ、海底ごみ調査の結果について取りまとめた。海底ごみ調査の結果に関しては、Marine Pollution Bulletinにて論文掲載済である。
(2)の①漂流ごみの目視観測においては、調査船舶に観測場所を複数設け、同時に異なった高さから目視観測調査を行い、海面からの高さの影響を検証した。②漂流マイクロプラスチックの採集では、マンタネットとニューストンネットの同時曳網、目合いの異なるニューストンネット(0.350 mm、0.200 mm、0.100 mm)の同時曳網を行った。目合いの違いについては、各目合いを組み合わせた比較曳網結果から選択性曲線を推定することによって採集効率の違いを明らかにした。この結果については、2021年度日本水産工学会学術講演会にて2件発表予定であり、投稿論文を執筆中である。また、③海底ごみの調査手法に関する比較調査においては、調査に用いられる水中カメラの有用性を検証するため、東京湾にて水中カメラを曳航し、海底の撮影可能範囲を把握した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度は、(1) 調査方法調和化に向けた情報集約としては、調査手法の調和化に向け先行研究を取りまとめ、(2)選定した手法を用いて実地調査を行うことが出来た。また、実地調査の研究結果に関しても、随時取りまとめている。このように、現在までの進捗状況はおおむね順調に進展しているが、新型コロナの影響で大型の大学練習船での研究が難しく、追加データが十分に取得出来ていない。

今後の研究の推進方策

今後は、①漂流ごみの目視観測調査では観測時の眼高に関する補足の調査を行い、データ数を増やすとともに、随時結果を取りまとめていく。③海底ごみの調査手法の比較実験も、水中カメラと底引き網を用いて、東京湾にて本実験を行う予定である。また、これまでの実験結果から、結果を補正するための校正値を算出する。この値を用いて、世界各国で発表された各海域の調査結果を比較し、より正確な世界全体の海洋ごみ密度を明らかにする予定である。
今後についても新型コロナの影響で大型の大学練習船での研究が難しい場合には、フェリーや観光船などを用いて調査を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] The current state of marine debris on the seafloor in offshore area around Japan2020

    • 著者名/発表者名
      Kuroda Mao、Uchida Keiichi、Tokai Tadashi、Miyamoto Yoshinori、Mukai Tohru、Imai Keiri、Shimizu Kenichi、Yagi Mitsuharu、Yamanaka Yuichi、Mituhashi Takahisa
    • 雑誌名

      Marine Pollution Bulletin

      巻: 161 ページ: 111670~111670

    • DOI

      10.1016/j.marpolbul.2020.111670

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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