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2021 年度 実績報告書

現代日本において、地域が貧困の再生産に与える影響の実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 20J15190
研究機関東京大学

研究代表者

大和 冬樹  東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワード近隣効果 / 貧困 / 地域 / 統計的因果推論
研究実績の概要

本年度の研究では、近隣効果が作動するメカニズムについての分析を行った。昨年度までの研究で、日本においても近隣効果が作動しており不利な近隣に住まうことが大学進学を抑制することが判明したが、その不利な近隣の効果がいかなる経路で生まれるかについては判然としていなかった。そこで本年度は、因果媒介分析(Causal Mediation Analysis)の手法を用いることで、子供の成長過程で近隣効果が作動する経路を分析した。具体的には中学生時点で居住していた近隣を処置変数、大学進学の可否を目的変数、子どもの進学した高校のランク(偏差値)を媒介変数として分析した結果、近隣の効果の約半分が高校に媒介され作動していることが判明した。これは、日本においては近隣効果の作動が偏差値によって階層化された高校への進学と密接に関わっていることを意味しており、日本と米国の近隣の作動の仕方に違いがあることを示した結果になる。
また、これまでの事例研究からは、不利な近隣内部の階層・所得別の分化によって子どもの学業達成・就職に差異が生じることが指摘されていたが、そのような知見が日本全体で見たときにも当てはまるかを本年度の研究では検証した。近隣効果の異質性に着目した分析を行うべく、傾向スコアの応用である層化マルチレベル法を用いた分析を行った。結果、不利な近隣に居住しやすい属性を持った家庭の子どもが不利な近隣の効果を強く受けることが判明した。具体的には、父親学歴が低く、世帯所得・世帯貯蓄が低い家庭の子どもの大学進学率が大きく下がることが判明した。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 日本において、不利な近隣への居住は大学進学に影響を与えるか2022

    • 著者名/発表者名
      大和冬樹
    • 雑誌名

      日本都市社会学会年報

      巻: 40 ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] シカゴ学派はいかに理解可能か――都市研究と社会的世界論の展望――2021

    • 著者名/発表者名
      関駿平・大和冬樹・宮地俊介
    • 雑誌名

      書評ソシオロゴス

      巻: 17 ページ: 1-28

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 近隣が大学進学に与える影響はいかに高校の特性によって媒介されるか2021

    • 著者名/発表者名
      大和冬樹
    • 学会等名
      日本都市社会学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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