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2021 年度 実績報告書

ヒストン脱アセチル化の亢進した癌関連線維芽細胞サブセットの特性解明と治療標的化

研究課題

研究課題/領域番号 20J15495
研究機関順天堂大学

研究代表者

目澤 義弘  順天堂大学, 順天堂大学大学院 医学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワード癌関連線維芽細胞 / 癌微小環境 / ヒストンアセチル化 / TGF-β
研究実績の概要

癌関連線維芽細胞(carcinoma-associated fibroblasts: CAFs)は、不均一な亜集団から構成されていることが近年明らかになり、癌促進的CAFs亜集団を同定する手法の確立や、出現メカニズムの解明が必要である。本研究ではこれまで、ヒト乳癌組織中のCAFsではグローバルヒストンアセチル化が非腫瘍部に存在する線維芽細胞に比べて低下していることを見出していた。また、筋線維芽細胞様CAFsではtransforming growth factor-β (TGF-β)シグナルが恒常的に活性化していることが知られている。そこで令和3年度は、CAFsでヒストンアセチル化が低下しているメカニズムの解明を目指し、癌微小環境の特徴の一つである低栄養状態に着目した。グルタミン欠乏培地でヒト正常乳腺線維芽細胞株を培養すると、グルタミン含有培地で培養した場合に比べて、ヒストンH3とヒストンH4のグローバルアセチル化が減少することを見出した。さらに、グルタミン欠乏培地で培養された正常乳腺線維芽細胞では、TGF-βシグナルを媒介する転写因子であるSmad2のリン酸化や、TGF-β標的遺伝子のmRNA発現が上昇しており、グルタミン欠乏条件により正常線維芽細胞でTGF-βシグナルが活性化し、部分的に筋線維芽細胞様CAFsに類似した状態が再現されることを見出した。本研究結果より、癌微小環境の低栄養状態が正常線維芽細胞にヒストンアセチル化の低下を引き起こし、そのことが正常線維芽細胞をCAFsに分化転換させる原因の一つになっている可能性が示唆され、CAFsの出現メカニズムの理解に発展があったと考えられる。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Carcinoma-associated fibroblastsによるがん細胞分化プログラムの制御2022

    • 著者名/発表者名
      目澤義弘、折茂彰
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 77 ページ: 114-151

  • [学会発表] Global histone deacetylation mediates the myofibroblast-like state in carcinoma-associated fibroblasts2021

    • 著者名/発表者名
      目澤義弘、醍醐弥太郎、高野淳、宮城洋平、横瀬智之、山下年成、丸山玲緒、清宮啓之、折茂彰
    • 学会等名
      第80回日本癌学会学術総会
  • [学会発表] Exploration of pioneer transcription factors mediating activated tumor-promoting states in CAFs2021

    • 著者名/発表者名
      守田凱紀、 目澤義弘、 山下和成、丸山玲緒、折茂彰
    • 学会等名
      第80回日本癌学会学術総会

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公開日: 2022-12-28  

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