研究課題
本年度は、最終年度として、これまで試作してきた原理機の挙動の観察を通じて明らかとなった要改善点の知見を集成し、完成機の研究開発を行った。◎より厳密なモデル化が可能な構造への改良 ・・・前年度において、「補償機構の要である非線形ばねが永久磁石の変位-力特性に基づいて設計される一方で、その実際の動作がグリッパの指間距離に依存するため把持対象物形状との把持幅差によって把持力が変動してしまう」点が把持力の増幅メカニズムのモデル化を行うに際しての課題と判明した。本年度では、新たに考案した、グリッパの指部に格納された磁気吸着機構を構造的に分離するレバー式の無段階クラッチ構造を原理機に組み込むことで、指の接触動作が完了してから吸着動作が開始することで把持幅によらず同等の把持力補助が得られるものとした。これによって、考案した「永久磁石の吸着による無電源で維持可能な押し付け動作を活用し、吸着距離の制御により把持力を無段階に調整可能」とするグリッパの構造が完成した。◎動作モデルの洗練 ・・・考案機構の原案においては、磁石接近による吸着力増大とばね圧縮による補償力増大、そして把持指・対象物の変形による弾性力増大とが相互作用的にアクチュエータ負荷を増減させつつ把持過程が進行するものであったため、把持動作モデルの立式が複雑なものであった。上記クラッチの導入によって、対象物形状・指送り量から生成把持力を独立させる把持幅-把持力特性の線形化を達成し、アクチュエータによる操作入力と把持力の相関の推移を予測可能とした。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEEE Robotics and Automation Letters
巻: vol. 8, no. 2 ページ: 736-743
10.1109/LRA.2022.3224664
巻: vol.7, no. 3 ページ: 6266-6273
10.1109/LRA.2022.3143231