研究課題
本研究では、J-PARC K1.8ビームラインエリアにおいて、(K-, K+)反応を用いてストレンジネス量子数 S = -2を持つグザイハイパー核を生成し、欠損質量分光法によりそのエネルギー準位と崩壊幅を測定する。これらの実験情報からグザイ粒子と原子核の間に働く相互作用ポテンシャルの実部・虚部の情報を得てバリオン間相互作用モデルに制限を与えることが本研究の目的である。ビームタイムは2023年度中に開始・終了する予定である。散乱粒子の飛跡検出のため、磁気スペクトロメーター(S-2S)の前後に計5台の飛跡検出器を設置した。読み出しに使用するケーブルを配線しノイズを抑える処置をした。S-2Sの下流に設置した3台の飛跡検出器については、これらを通過した宇宙線に起因する信号からその飛跡を再構成し、検出器ごとの検出効率を評価した。ワイヤーに印加する高電圧や信号の閾値電圧等を適切に設定することにより、検出効率が99.9%を超えることを確認した。粒子識別検出器についても設置後ケーブル配線を行い、密封線源を用いて信号読み出しに使用する光電子増倍管(PMT)の利得調整を行った。PMTは通常、磁場環境下では量子効率が低下し実効的な信号の大きさが小さくなる。この効果を除去する目的で、本実験で使用する粒子識別検出器には磁気シールドやバッキングコイルを設けている。実際にS-2Sを励磁し、これらが機能していることを確認した。反応標的には、シンチレーションファイバーで構成される有感標的AFTを使用する。約900本のシンチレーションファイバーを組み上げ固定するためのフレームを設計・製作した。シンチレーショファンイバーから発する光は、ファイバー両端に配置した光子計測器(MPPC)を用いて読み出す。総数約1800チャンネル分のMPPC基板を製作し、実機フレームに取り付けた。製作したAFT実機を実験エリアへ設置し、調整を進めた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Progress of Theoretical and Experimental Physics
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