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2020 年度 実績報告書

神経発達障害者の困難への姿勢教育的アプローチ――マインドフルネスを用いて――

研究課題

研究課題/領域番号 20J20444
研究機関関西大学

研究代表者

福市 彩乃  関西大学, 心理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
キーワードマインドフルネス / 姿勢 / 瞑想 / 神経発達障害 / ADHD / モチベーション / 身体化認知 / 正座
研究実績の概要

「一つひとつの瞬間にありのままの注意を向ける」(Kabat-Zinn, 1990)ことを基本とするマインドフルネスは,年齢不相応な不注意・多動の特徴を持つ神経発達障害である,注意欠如/多動性障害(ADHD)の特徴への効果があることがわかっている(e. g., Jha et al., 2007)。しかし,ADHDの不注意や多動の特性は,じっとしたまま呼吸や身体に注意を向けるマインドフルネス瞑想への取り組みを阻害する可能性がある。そこで,マインドフルネスで重要なファクターである姿勢に注目し,ADHDの人にも,そうでない人にも取り組みやすいマインドフルネスとは何かを探ることを目的とした。
2020年度分の研究では,まずマインドフルネスの取り組みにくさ・取り組みやすさを測定する尺度を開発するため,3つの調査をおこなった。作成された尺度を用いて,身体の各部位に注意を向けるマインドフルネス瞑想であるボディスキャンや,座って呼吸等に注意を向ける静座瞑想を行いやすい姿勢とは何かを検討する実験を1つずつ行った。実験の結果,ボディスキャンはADHDの人にとって仰向けでは行いやすく,猫背に近い姿勢では行いにくく感じることが分かった。また,静座瞑想は多動傾向の人は,背筋を伸ばした姿勢で行いにくく感じることが分かった。
今回の研究の意義として,尺度開発については,これまでマインドフルネスの行いやすさ・行いにくさを測定する尺度を検討した研究は見当たらなかったため,今後,マインドフルネスエクササイズの評価や各個人の取り組みの測定に役立つ。また,姿勢に着目した実験については,ADHDの人が取り組みやすい姿勢を明らかにするとともに,従来の伝統的なマインドフルネス瞑想の姿勢と一部一致することを示し,その科学的根拠を示唆した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

COVID-19の影響により,計画の一部を次年度に繰越すこととなったが,繰越の結果,計画していた実験の完遂に至り,大幅な遅延はないため。

今後の研究の推進方策

2020年度は,COVID-19の影響で,予定していた個別実験が延期になり,方法の変更を余儀なくされるなどの不測の事態が生じ,その対応に時間と労力を割かれた。よって,今後は同様の事態を見据えて,あらかじめいくつかの方法を準備し,即座に対応できるようにしたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 正座と躯幹を伸展させた椅坐位の印象の比較2020

    • 著者名/発表者名
      福市 彩乃、菅村 玄二
    • 雑誌名

      応用心理学研究

      巻: 46 ページ: 286~287

    • DOI

      10.24651/oushinken.46.3_286

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マインドフルネスの阻害要因尺度および促進要因尺度の予備的検討2021

    • 著者名/発表者名
      福市彩乃
    • 学会等名
      日本応用心理学会第87回大会
  • [学会発表] 注意欠如・多動傾向者に適したボディスキャン時の身体姿勢とは?――易実施性と状態マインドフルネスの向上のために――2021

    • 著者名/発表者名
      福市彩乃、菅村玄二
    • 学会等名
      日本マインドフルネス学会第8回大会
  • [学会発表] マインドフルネスのどのような側面が抵抗を生み,続行させるのか?――初心者が感じる瞑想実践の阻害要因と促進要因――2020

    • 著者名/発表者名
      福市彩乃、菅村玄二
    • 学会等名
      日本マインドフルネス学会第7回大会

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公開日: 2022-12-28  

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