• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

3次元多様体のハンドル体分解とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 20J20545
研究機関埼玉大学

研究代表者

小川 将輝  埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
キーワードヒーガード分解 / ハンドル体 / 3次元多様体
研究実績の概要

前年度に3次元球面とレンズ空間を種数1以下のハンドル体3つによる分解を分類する事ができたため、今年度はハンドル体4つによる分解の研究を行った。まず初めにハンドル体4つ以下の分解において、ハンドル体同士の共通部分である二次元複体をどのようなクラスにするかを考えた。今年度は多重分岐曲面と呼ばれる2次元複体によって、ハンドル体同士が張り合う分解を考えた。特に種数1以下のハンドル体4つによる分解を持つ3次元多様体はどのような位相形を持つかを調べた。種数が1以下であるハンドル体3つによる分解を許容する多様体は分類されている。このことから種数が1以下のハンドル体4つによる分解を持つ多様体はそのような多様体とは別の多様体を含む事を予想した。実際、特異ファイバーが4つ以上のザイフェルト多様体は種数が1以下であるハンドル体3つによる分解を持たない事が知られていたが、種数が1以下であるハンドル体4つによる分解は許容することが今回の研究で分かった。
さらに、今回はハンドル体4つによる分解における安定同値性について考えた。2つのハンドル体4つによる分解は安定化と呼ばれるそれぞれのハンドル体の種数を上げる操作と、多重分岐曲面に関する操作を有限回施すことにより、互いに移り合うことが分かった。これは3次元多様体の新しい不変量の構成が期待できる。
また、今年度は前年度得た3次元球面とレンズ空間の種数1以下のハンドル体3つによる分解の分類の結果を論文としてまとめ、受理された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度はハンドル体4つによる3次元多様体の分解を研究してきた。これまでに知られていたハンドル体3つによる3次元多様体の特徴づけの結果を参考にすることによって当初の予定通り、ハンドル体4つによる分解で3次元多様体の特徴づけをする事ができた。また、安定同値性を証明することでハンドル体4つによる3次元多様体分解の理論の基礎づけをする事ができた。一方、今年度も新型コロナウイルスの影響により、昨年同様、研究集会での議論等の場が少なかった。

今後の研究の推進方策

今年度はハンドル体4つによる3次元多様体の分解の理論の基礎づけをする事ができた。来年度は3次元トーラスのハンドル体による分解を調べ、分類することを目指す。今年度は新型コロナウイルスによる影響によって研究集会がオンラインであったが、来年度からは対面での研究集会が増える事が予想される。来年度は対面での研究集会に積極的に参加し、今年度得た結果を研究集会で発表し、他の研究者と交流することで新しい方向性を取り入れていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Decompositions of the 3-sphere and lens spaces with three handlebodies2021

    • 著者名/発表者名
      Ito Yasuyoshi、Ogawa Masaki
    • 雑誌名

      Journal of Knot Theory and Its Ramifications

      巻: 30 ページ: 1-45

    • DOI

      10.1142/S0218216521500681

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi