研究課題
2022年度は、臨床現場においてデータに基づいた即時介入と効果検証を行う予定であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、臨床現場での計測は困難となった。したがって、2021年度までに得られた大腿義足歩行中の角運動量制御機序に関する標準データセットをベースとし、より活動度の低い大腿義足ユーザにおける歩行の動的安定性と介入効果をみることとした。活動度の低い大腿義足ユーザの歩行データセットとして、ユタ大学が公開する大腿義足歩行のパブリックデータを使用した。まずは、活動度K2レベルの大腿義足ユーザ6名のうち、トレッドミル歩行を手すりなしで行った3名と手すりありで行った3名における、荷重パターンの違いを見るため、地面反力変数の比較を行った。その結果、手すりありの大腿義足ユーザは、義足片足支持期における鉛直方向の荷重が有意に小さく、健側と義足における地面反力の対称度が大きいことが分かった。地面反力の発揮パターンが健側義足間で差が少ないほど、ステップ間における地面反力由来の身体重心まわり外部モーメントに差が生じなくなる。角運動量の変化量は、外部モーメントの時間積分値と等しいため、手すりがある場合の方が片側大腿切断者の身体重心まわりの姿勢変動が軽減されることを意味する。したがって本研究の結果から、手すりによる歩行サポートが、大腿切断者の身体重心まわりの角運動量制御に、十分な介入効果をもつことが示唆された。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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