研究実績の概要 |
2021年度に於いては、引き続きCOVID-19警戒体制下に於いて研究を実施したため、当初の研究計画と大きく異なるが、Web会議システム等の整備・構築により、概ねスムーズに進行した。実施内容は、以下の二つに分けられる。
第一に、引き続き文献研究を実施した。文献、特に各国コンメンタール(ドイツ、オランダやスイス等)の再度の比較を通して、森勇斗「日本錯誤法の「アプローチ」的位置付け及び理論的再構成(1); error型アプローチ、mistakes型アプローチ、error-mistakesアプローチ、そして日本の錯誤のリスク転換構造」一橋法学20巻1号409-447頁(2021.4)及び同(2・完)・一橋法学20巻2号259-298頁(2021.7)の見直し・発展を図ったものである。
第二に、Web会議システムを用い、日英間での研究交流を行った。研究費の一部を謝礼として、John Cartwright教授(Oxford大学法学部名誉教授、Christ Church, Oxford名誉フェロー)に、契約の成立・有効性に関する講演及び、拙研究への直接の示唆を戴いた。その後、Yuto MORI, ’Error, Mistakes, and Error-Mistakes: A Comparative Reconsideration of the Law of Mistakes in Japanese Civil Code’ 8th Tokyo-Cambridge Law and Humanities Seminar 2021(8月28日開催、オンライン)とする報告を行った。同報告は、森の研究テーマの主眼たる大陸法型錯誤及びコモンロー型錯誤の性質的異同について、特に英語に於ける表現比較(コモンロー地域イングランドと混合法地域スコットランド)を題材に、検討を展開するものである。
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