令和4年度は,前年度改良した実験装置を用い,引き続き水路壁を設置した条件での埋設管の水平載荷実験を実施した.実験土槽内に,外径114 mmの模型管と,アルミ製の水路壁模型を設置し,相対密度80%の乾燥珪砂で埋め戻した.スラスト力を受ける圧力管路屈曲部の挙動を再現するために,一定速度で模型管を変位させ,模型管に作用する抵抗力等を計測した.これまでの実験結果から,残存する水路壁はスラスト力への抵抗力を増大させる効果が期待できる一方で,水路壁の形状や状態によってはその効果が見られないことが明らかとなっていた.令和4年度は,抵抗力増加効果が期待できない水路壁に対し,ジオグリッドで補強する工法について検討した.実験結果から,水路壁に沿ってジオグリッドを設置することで,水路壁が補強され,スラスト力に対する抵抗力は増加することが明らかとなった.また,画像解析により,ジオグリッドによる水路壁の補強メカニズムについても検討した. 上記の実験に加え,二条埋設時の管路屈曲部を対象とした水平載荷実験も実施した.実験土槽内に,外径100 mmの模型管2本を相対密度80%の乾燥珪砂で埋設し,スラスト力を模擬した水平荷重をそれぞれの模型管に負荷した.水平荷重の大きさを段階的に増加させ,載荷時の模型管の変位量や管路に作用する土圧等を計測した.実験結果から,単独で埋設した場合よりも二条埋設時の方が小さな荷重段階で管路が大きく変位し,また管路間の距離を変化させることで管路の変位量が増大する時の荷重の大きさも変化することがわかった.
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