研究課題
本年度は、2022年9月から2023年3月にかけて、名古屋大学にて主に2つの研究を実施した。(1)前年度に調整した核酸試料を次世代シークエンサーに供試し、サゴヤシ根および土壌に存在するアーバスキュラー菌根菌と窒素固定菌群集の解析を行なった。結果、サゴヤシに内生する微生物群集は圃場間で異なり、それらは、土壌の物理化学特性に有意に関連しているように思われた。さらには、雨季と乾季による土壌水分含量の季節変化がサゴヤシの根に内生する微生物群集に影響しているように思われた。一方、窒素固定細菌においては、多様な種をサゴヤシ根から検出することに成功した。アーバスキュラー菌根菌群集と同様に窒素固定菌群集にも土壌水分含量の季節変化により変化することが窺われた。(2)サゴヤシ実生へのAMF接種による成長促進効果について、Glomus spp.を含む市販のAMF資材を接種し、検討した。結果、出葉速度およびSoil Plant Analysis Development(SPAD)値は、処理後61日から121日まで対照区と処理区の間で差がなかった。しかし、第4葉の葉面積と第5葉の小葉数は、処理区において対照区と比べて有意に大きかった。本年度に得られた成果の一部は、日本熱帯農業学会第133回講演会(明治大学)にて発表した。また、2020年4月から2022年3月までの博士後期課程中の研究成果は、博士論文にまとめ名古屋大学に提出した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Tropical Agriculture and Development
巻: 3 ページ: -