重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は治療法の確立が急務となっている疾患の1つである。本研究では、感染阻止モノクローナル抗体(mAb)産生ハイブリドーマの樹立および、mAbのエピトープ解析を行うことでワクチンによる感染阻止メカニズムの解明を目標としている。 研究計画に従い、得られた候補のスクリーニング、限界希釈によるモノクローナル細胞株の樹立と解析を行った。スクリーニングを3回繰り返したところ、最終的に13の候補が得られた。産生された抗体が認識する抗原を調べるためにm8-Nまたはm8-GPの組換えワクシニアウイルスを感染させたRK13細胞を用いてIFAを行った。その結果、Nに反応した候補が6つ、GPに反応した候補が4つ確認された。この10の候補に対して96ウェルプレートを用いた限界希釈を行い、ハイブリドーマのモノクローナル細胞株の樹立を行った。また、抗GP抗体の認識部位(Gn側又はGc側)を確認するためにGn及びGc発現プラスミドを作製し、293T細胞にトランスフェクションした。上述した4つのハイブリドーマ培養上清を用いてIFAを実施したところ抗Gn抗体産生ハイブリドーマを1クローン、抗Gc抗体産生ハイブリドーマを3クローン樹立した。より詳細な評価を行うために、ハイブリドーマ培養上清から抗体の抽出及び精製を今後引き続き行う予定である。
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