オートファジーは加齢に伴い低下することが知られている。要因の一つとしてオートファジー抑制因子の一つであるRubiconが加齢に伴い増加することが挙げられるが、Rubiconの増加メカニズムは明らかになっていない。我々はこれまでにショウジョウバエで加齢に伴うRubicon蛋白質の増加がmRNAレベルの変化を伴わないことを見出しており、Rubiconの増加メカニズムとしてRNA修飾による翻訳効率化または翻訳後修飾によるRubicon蛋白質の安定化を考え、本研究を行った。 Rubiconの修飾解析を簡便にするため、HAタグ付きRubicon過剰発現ショウジョウバエを作製し、加齢に伴う発現変化を調べた。その結果、HA-Rubiconは野生型ショウジョウバエと同様に蛋白質レベルでのみ増加していた。本実験で用いたショウジョウバエの発現カセットはRubiconコーディング領域および非翻訳後修飾領域(3’UTR)のみを含み、イントロンを含まない。よって、イントロンのRNA修飾は加齢に伴うRubicon蛋白質の増加に関与しないと考えられた。そこでもう一つの候補である翻訳後修飾の解析に取り組んだ。若齢または老齢のHA-Rubicon過剰発現ショウジョウバエからHA抗体を用いてRubiconを免疫沈降し、LC/MS/MSにて翻訳後修飾を網羅的に解析した。その結果、加齢に伴い変動する翻訳後修飾の同定に成功した。
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