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2022 年度 実績報告書

量子ウォークの指数定理

研究課題

研究課題/領域番号 20J22684
研究機関信州大学

研究代表者

田中 洋平  信州大学, 理学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
キーワード離散時間量子ウォーク / 超対称的量子力学 / Witten指数 / バルクエッジ対応 / ギャップレスなトポロジカル相 / カイラル対称性
研究実績の概要

【研究実績】
昨年度に発表したカイラル対称性を持つ量子ウォークの指数に関するarXivプレプリントが, 今回Reviews in Mathematical Physicsにアクセプトされた. この類の量子ウォークの特徴は, 超対称的量子力学で「超対称的ハミルトニアン」として知られるエルミート作用素の組を自然な形で定義できるという点である. これらに対して, 「Witten指数」と呼ばれる不変量を定義できるという事実はよく知られている. 先行研究では(離散時間)量子ウォークの時間発展作用素がスペクトル・ギャップを持たないケースが中心に考察されていて, その場合はWitten指数をFredholm指数として数学的に特徴づける事ができる. 一方, 今回発表した論文ではスペクトル・ギャップを持たない具体的な1次元モデルを考察しており, その場合に散乱理論を経由する形で先述のFredholm指数を半数値指数まで拡張することに成功した.

【今後の研究の展開】
既知の量子ウォークの整数値指数に関する結果を半整数値Witten指数まで拡張するというのは, 当該研究計画の最大の目標であった. 最終年度でこの数学的な目標を無事に達成する事ができた一方で, 幾つかの新しい課題も浮き彫りになった. 例えば, 当該研究の物理的な重要性に関しては, 時間的な制約の関係で十分に吟味できたとは言い難い(例えば, 指数の半整数値性とレゾナンスの存在の関連性など). また, Witten指数の幾何学的な特徴づけに関しても部分的な結果しか得る事ができなかった(例えば, バルク・エッジ対応との関連性など). これらの未解決問題は, 令和5年度の新規採択課題23KJ1868「量子ウォークのスペクトル流: 散乱理論における新しい不変量の研究」の重要なモチベーションである為, 次年度以降も継続して研究を進める計画である.

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] The Witten index for one-dimensional split-step quantum walks under the non-Fredholm condition2023

    • 著者名/発表者名
      Matsuzawa Yasumichi、Suzuki Akito、Tanaka Yohei、Teranishi Noriaki、Wada Kazuyuki
    • 雑誌名

      Reviews in Mathematical Physics

      巻: TBA ページ: TBA

    • DOI

      10.1142/S0129055X23500101

    • 査読あり
  • [学会発表] A topological index for one-dimensional quantum walks with asymptotically periodic parameters2023

    • 著者名/発表者名
      Yohei Tanaka
    • 学会等名
      Himeji Conference 2023, イーグレ姫路
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] The bulk-boundary correspondence for one-dimensional split-step quantum walks, revisited2022

    • 著者名/発表者名
      Yohei Tanaka
    • 学会等名
      多次元量子ウォークの数理(RIMS共同研究 グループ型A), RIMS
    • 招待講演
  • [学会発表] On the real part of a chiral unitary2022

    • 著者名/発表者名
      Yohei Tanaka
    • 学会等名
      第2回数理物理セミナー, 北海学園大学

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公開日: 2023-12-25  

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