研究課題/領域番号 |
20J22783
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
山本 美月 山梨大学, 医工農学総合教育部, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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キーワード | Directed evolution / SELEX / PUREシステム / cDNAディスプレイ / ジベンゾシクロオクチン / 蛍光ラベリング / 部位特異的ラベリング / 反応性ペプチドタグ |
研究実績の概要 |
合成小分子のジベンゾシクロオクチンに対して、大腸菌由来の再構成型無細胞転写・翻訳系(PUREシステム)により調製した数兆種類のcDNAディスプレイ型ペプチドタグライブラリーからの分子進化工学的スクリーニング(SELEX)法により、新規の小分子結合ペプチドタグの探索を行なった。クローニングおよび配列解析の結果、ジベンゾシクロオクチンに共有結合する新規ペプチドタグの同定に成功した。また、ジベンゾシクロオクチン結合ペプチドタグの末端欠損変異体のジベンゾシクロオクチン反応性解析により、最小化ジベンゾシクロオクチン結合ペプチドタグの同定にも成功した。更に、PUREシステム内でジベンゾシクロオクチン反応性最小化ペプチドタグ融合モデル標的タンパク質を発現させ、赤色蛍光プローブ修飾ジベンゾシクロオクチンとの反応産物のゲル内蛍光イメージング解析により、PUREシステム内でジベンゾシクロオクチン反応性最小化ペプチドタグ融合モデル標的タンパク質が赤色蛍光ラベルされていることを実証した。 本研究成果は、第72回日本細胞生物学会大会および第57回ペプチド討論会の学会で成果発表を行い、JAACT2020の国際学会でも成果発表を行なっている。また、査読付き学術論文であるBiochemical and Biophysical Research Communications誌に掲載される研究成果発表も併せて行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
合成小分子のジベンゾシクロオクチンに対して、大腸菌由来の再構成型無細胞転写・翻訳系(PUREシステム)により調製した数兆種類のcDNAディスプレイ型ペプチドタグライブラリーからの分子進化工学的スクリーニング(SELEX)法により、新規の小分子結合ペプチドタグの探索を行なった結果、ジベンゾシクロオクチンに共有結合する新規ペプチドタグの同定に成功したため。また、ジベンゾシクロオクチン結合ペプチドタグの末端欠損変異体のジベンゾシクロオクチン反応性解析により、最小化ジベンゾシクロオクチン結合ペプチドタグの同定にも成功したため。更に、PUREシステム内でジベンゾシクロオクチン反応性最小化ペプチドタグ融合モデル標的タンパク質を発現させ、赤色蛍光プローブ修飾ジベンゾシクロオクチンとの反応産物のゲル内蛍光イメージング解析により、PUREシステム内でジベンゾシクロオクチン反応性最小化ペプチドタグ融合モデル標的タンパク質が赤色蛍光ラベルされていることを実証したため。 そして、本研究成果は、第72回日本細胞生物学会大会および第57回ペプチド討論会の学会で成果発表を行い、JAACT2020の国際学会でも成果発表を行なっているため。また、査読付き学術論文であるBiochemical and Biophysical Research Communications誌に掲載される研究成果発表も併せて行なっているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに、合成小分子のジベンゾシクロオクチン(DBCO)に対して大腸菌由来の再構成型無細胞転写・翻訳系(PUREシステム)により調製した数兆種類のcDNAディスプレイ型ペプチドタグライブラリーからの分子進化工学的スクリーニング(SELEX)法により新規のDBCO結合ペプチドタグ(MRWKRMCLYPRWRWNRRYTYYMY)を同定し、末端欠損変異体ペプチドのDBCO反応性解析により最小化DBCO反応性ペプチドタグを開発し、ゲル内蛍光イメージング解析によりモデルタンパク質ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)に融合したDBCO反応性最小化ペプチドタグに部位特異的にテトラメチルローダミン修飾DBCOがラベルされていることを実証した(Biochemical and Biophysical Research Communications、534、pp27-33、2021)。一方、PUREシステム内在タンパク質へのテトラメチルローダミン修飾DBCOの反応が観察されたことから、より反応性の高い小分子結合ペプチドタグの開発が細胞内タンパク質蛍光イメージングには必要であることも同時に判明していた。 そこでDBCOとは異なる合成小分子に対してPUREシステムにより調製した数兆種類のcDNAディスプレイ型ペプチドタグライブラリーからのSELEXにより、新規の小分子結合ペプチドタグの探索を行い、その機能解析を行なっていく予定である。
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