研究課題/領域番号 |
20J22868
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
木本 雄大 上智大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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キーワード | 巧緻運動 / 熟練運動トレーニング / 外骨格ロボット / 継頭蓋磁気刺激法 |
研究実績の概要 |
指の独立運動は,外科手術や楽器演奏に見られる卓越した運動技能を獲得・洗練する上で必要であると考えられている.指の独立運動の獲得・洗練の機序を解明することは,医療・産業・文化の進化と持続可能性の実現,ひいては人類のQOLの向上に急務である.指の独立運動は神経要因と筋骨格要因の制約によって阻害されており,突出した指の独立性を持つピアニストは,神経要因の制約が低減している.指の独立運動に関わる主要な神経要因として,選択的に隣接する筋の活動を抑制する機能と複数筋が同時に活動する筋間の機能的な協調が関与していると仮説を立てた.本研究ではこの仮説を検証することで,指の運動の獲得機序を解明し,得られた知見から神経要因の向上および変容を促す訓練を行うことで,指の独立性向上の訓練法の開発を行う.また,筋骨格要因の制約を低減する訓練も行うことで,熟練ピアニストと非熟練者にそれぞれ最適な訓練法の同定に取り組む.
本年度は,指の独立運動に関与する神経要因を同定した.実験では,熟練ピアニストと非音楽家を対象に,指の独立性を評価した.また神経要因として,手指の複数筋を対象に,指の独立運動時の筋活動と,継頭蓋磁気刺激法を用いて運動想起中の皮質脊髄路の興奮性を評価した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延によって,予定通りの実験実施ができずに,やや進捗が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,本年度で評価した独立指運動の熟練に関わる神経要因の可塑性に基づき,熟練ピアニストの更なる運動スキル向上を目的とした神経要因向上訓練を行う.
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