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2022 年度 実績報告書

がん免疫療法に資する光応答性材料を用いた1細胞間相互作用解析技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20J22920
研究機関東京大学

研究代表者

小阪 高広  東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
キーワード細胞間相互作用 / 細胞捕捉 / 1細胞解析 / 光応答性 / がん免疫
研究実績の概要

本年度では主に光回収系の開発を行った。ガラススライド表面のアミノ化にはコラーゲンを用いていたが、生物学的な接着を防ぐため、APTES修飾に変更した。APTES修飾基板自体への細胞の吸着を抑制するため直鎖のPEGと4分岐のPEGを検討し、4分岐のPEGを修飾することで細胞の吸着と接着を抑制できることを確認した。4分岐PEGの末端のアミノ基に対してこれまで使用してきた光応答性分子を修飾し、細胞非接着性の光応答性表面を作製することに成功した。この光応答性表面の任意の位置に光を照射し、光分解性細胞捕捉用分子を修飾することで、細胞を光照射領域選択的に捕捉することができた。この際、光分解性アジド化PEG脂質と光分解性アジド化RGDペプチドを混合して用いることによって、生物学的な接着に頼らない迅速な細胞捕捉とその後の生物学的な接着、細胞の伸展を両立することが可能であった。
本手法によって捕捉され伸展した細胞は光分解性アジド化RGDペプチドに対してのみ接着するため、光分解性アジド化RGDペプチドを分解することにより基板から回収することが可能である。必要な光照射量を検討したところ、365 nmの近紫外光を5 J/cm2の強度で照射することで回収が可能であり、光照射に選択的に回収できることを確認した。
本技術を用いて複数のHeLa細胞をひも状、あるいはシート状に捕捉し、数日間培養した後に光照射を行って回収すると、それぞれひも状、シート状の細胞塊が回収された。回収した細胞塊は捕捉時の形態を保持していたことに加えて湾曲が見られ、細胞間の張力や細胞間接着が維持されていることが示唆された。本技術は1細胞解析を行った細胞の回収のみならず、複雑なパターンに細胞が配置されたスフェロイドやオルガノイドの作製に応用可能であり、再生医療や発生工学の進展に大きく寄与することが期待できる。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Bioorthogonal Photoreactive Surfaces for Single-Cell Analysis of Intercellular Communications2022

    • 著者名/発表者名
      Kosaka Takahiro、Yamaguchi Satoshi、Izuta Shin、Yamahira Shinya、Shibasaki Yoshikazu、Tateno Hiroaki、Okamoto Akimitsu
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society

      巻: 144 ページ: 17980~17988

    • DOI

      10.1021/jacs.2c07321

    • 査読あり
  • [備考] 細胞同士の相互作用を1細胞解析するための光反応性表面を開発 ―がん免疫療法への応用に期待―

    • URL

      https://www.t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2022-09-22-001

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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