研究課題/領域番号 |
20J23327
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佳山 一帆 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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キーワード | X線連星 / ブラックホール / 粒子加速 / X線天文学 / SOIピクセル検出器 |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度に引き続きブラックホール天体SS 433の観測データの解析を行なった。本年度はデータ解析の他に観測データの解釈のためにシミュレーションも行い、得られた結果を国内外の学会や研究会で発表した(招待講演含む)。 また、査読有り論文として学会誌に投稿を2021年度までに行った。2021年度内に受理を目指していたが、解析におけるバックグラウンドモデルのゆらぎについて指摘された。研究遂行上、バックグラウンドモデルのゆらぎを見極めることが不可欠であるため、研究の完成を2022年度へと延長することとなった。検証をするために追加で文献調査及び再解析を行った上で再投稿し、無事に論文が受理された。 さらに、本研究で得られた結果をもとに、XMM-Newton衛星への観測提案を行ったところ、高い競走倍率を勝ち抜き観測時間を獲得している。 また、本年度は前年度に開発した素子の動作試験・性能評価を並行して行った。私は主に、新たに見つかった問題点について実験的手法で原因究明を行った。本結果は開発にフィードバックしており、次期素子の設計・製造が予定されている。今年度は検出器開発について国内外の学会で共著者として多数発表を行い、査読付き論文も1報受理されている。今年度はさらに、同じ検出器を用いて地上アクシオン探査実験にも着手している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
SS433の観測的研究については新発見があり、この成果については主著者として投稿論文を出版した。また、本年度は共著者としてXRPIXの開発にも着手しており、天文学のみならず地上アクシオン探査実験にも拡大することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の成果は投稿論文に加え、私の博士論文としてまとめる。また、私が新規提案した観測のデータを用いてさらなる観測的研究を行い、西側領域だけではなく星雲全体からのX線放射について調査する。これらの結果は、最終的には投稿論文として発表予定である。 検出器開発においては、現状放置され気味である解析方法の見直しを最優先に行い、解析段階でのエネルギー分解能の劣化の原因を調査し、解析方法の改良・確立を目指す。
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