研究課題
今年度はサルで認められたリポペプチドを提示するMHCクラスI (LP1)分子の構造から、最終的にリポペプチドを結合するHLAクラスI 分子の同定と、結晶構造の解明に至った。興味深いことに、同定したヒトLP1分子は日本人に非常に頻度が高いことが分かった。一方で、該当のヒトLP1分子は従来ペプチドを提示すると認識されていた。そこで、ペプチド収容時とリポペプチド収容時の複合体の結晶構造を比較した。その結果、リガンドの極性に合わせて、収容時に効率的なポケットリモデリングが起きることを解明した。さらに、脂質を収容するポケットの底部に存在する9番目のアミノ酸に着目し、9番目のアミノ酸を変異させたHLAクラスI複合体のリフォールディング試験とX線結晶構造解析を行った。その結果、9番目のアミノ酸の寄与が明らかとなり、得られた本研究成果を国際誌に発表した。最後に、ヒトLP1高発現トランスジェニックマウスを作出し、ヒトLP1拘束性のT細胞応答が起こることを確認した。このマウスを用いれば、今後個体レベルでのT細胞の分化、免疫記憶等さらなる研究の発展につながると考える。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Biological Chemistry
巻: 298 ページ: 102100~102100
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