研究課題
次世代シーケンサーによる研究が進み胆道がんにおいてもMolecular subtypeを考慮した、分子標的治療の有効性が示されている。また、近年の報告では、IDH1遺伝子変異を有する胆道がんに対するIDH1阻害薬の開発が進んでいる。IDH1遺伝子に変異を有するがん細胞は、DNA 損傷の修復能が低下すると報告されている。一方で、このDNA損傷修復経路へのIDH1変異の影響が胆道由来の腫瘍でどのように認められるかは不明であることから、IDH1変異を抑制する阻害剤の有無で遺伝子発現をRNA-seq法で網羅的に比較し、Liver morphogenesis、JAK-STAT pathwayに関わる遺伝子セットに変化を認めた。この結果に基づき22種類のクリニカルコンパウンドを用いた小規模な化合物スクリーニングをIDH1変異細胞株(SNU1079及びRBE)に対して行った。その結果、SRC阻害剤を含む複数の化合物が有効であった。更に、Genome-wide CRISPR KO libraryを用いた遺伝学的スクリーニングを現在進めている。また、IDH1変異胆道がんにおけるin vivo modelの報告は極めて稀である。IDH1 conditional Knock-in mouse作成のため、マウス腎細胞株を用いて予備検討を進めている。また、既報に基づきマウス胆管オルガノイドを作成した。現在、レンチウイルスを用いて変異IDH1発現オルガノイド作成のため準備を進めている。
2: おおむね順調に進展している
Genome-wide CRISPR KO libraryを用いた遺伝学的スクリーニングを行った。現在、結果の解析を進めている。in viroではRNAseqの結果を得た。その結果に基づき化合物スクリーニングの結果を得た。また、in vivoでの有効性試験の準備を進めている。
Genome-wide CRISPR KO libraryを用いた遺伝学的スクリーニングの結果の解析を進める。その結果を基づき、遺伝子ノックアウト細胞株やIDH1阻害剤と他の阻害剤との併用療法で結果の確認を進める。IDH1変異胆道がんにおけるin vivo modelを確立するために、現在試みているIDH1 conditional Knock-in mouseに加えて、オルガノイドやPatient derived Xenograft等も含めて検討を進める。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)
J Hum Genet
巻: - ページ: -
10.1038/s10038-022-01028-x
Molecular and Clinical Oncology
巻: 15 ページ: -
10.3892/mco.2021.2409
腫瘍内科
巻: 28 ページ: 549-555
Gan To Kagaku Ryoho
巻: 48 ページ: 866-872