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2021 年度 実績報告書

インドネシア産プロポリス由来成分を利用する痛風抑制を目指した機能性食品素材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20J23632
研究機関静岡県立大学

研究代表者

宮田 椋  静岡県立大学, 薬食生命科学総合学府食品栄養科学専攻, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
キーワードプロポリス / 機能性食品 / インドネシア / 蜂産品 / ビーポーレン
研究実績の概要

昨年度に得られた研究結果より、令和3年度は研究計画の一部を変更し、様々な蜂産品の成分プロファイルの解明および抗パーキンソン病効果を調べた。昨年度から継続して行っているインドネシア産プロポリス(ロンボク島産)に関しては、文献未掲載の新規化合物と起源植物を同定し、抗菌活性を解明した。
昨年度に立ち上げたパーキンソン病原因酵素である catechol-O-methyltransferase (COMT) のアッセイ系を活用し、プロポリスの抗パーキンソン病効果を調べた。新型コロナウイルスの影響で、新たなインドネシア産プロポリスの入手が困難であったため、所属研究室で所有しているプロポリスを中心に幅広くスクリーニングした。その結果、タイ産のプロポリスに高い活性が見られ、活性成分としてgamma-mangostinと6-prenyleriodictyolを同定した。
プロポリスと同様にミツバチが産生するビーポーレンに関して、韓国産のビーポーレン試料がコロナ禍であっても入手可能であったことから、その成分プロファイルと生理活性を評価した。成分プロファイルに関しては、近年分析化学分野で注目を集めているモレキュラーネットワーク解析を適応し、網羅的に含有成分を特定し、採取地域によるビーポーレンの多様性を明らかにした。生理活性に関しては、ビーポーレン中の主成分であるヒドロキシ桂皮酸アミド類縁体が高いCOMT阻害活性を示すことを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和3年度は研究成果の発表に重きを置き、研究活動に取り組んだ。昨年度に行った研究において、インドネシアのスラウェシ島で採集されたプロポリスより、尿酸生成酵素阻害活性を有する化合物を見出しており、その類縁体の合成と活性評価を実施してきた。合成した化合物には、顕著な尿酸生成酵素阻害活性は認められなかったことから、令和3年度は研究計画の一部を変更し、様々な蜂産品の成分プロファイルの解明および抗パーキンソン病効果を調べた。
まず昨年度から継続して行っているインドネシア産プロポリス(ロンボク島産)に関しては、見出した研究成果を国際誌Results in Chemistryへ投稿し、掲載が受理された。
プロポリスの抗パーキンソン病効果に関しては、タイ産のプロポリスが高い活性を示すことを見出し、本研究成果に関しても、国際誌Natural Product Communicationsに発表した。
新たに研究対象とした韓国産ビーポーレンに関しても、成分プロファイルと抗パーキンソン病効果を評価した。この研究成果に関しては、独創的な研究デザインと複合的な研究が評価され、食品科学分野で最も権威のあるJournal of Agricultural and Food Chemistry誌に報告することができた。
以上、本年度は研究成果を3報の投稿論文として報告できたため、本研究課題は順調に進んでいると判断した。

今後の研究の推進方策

研究課題の最終年度は、これまでに見出した研究成果をさらに発展させていく予定である。まずインドネシア産プロポリス(ロンボク島産)に関しては、現在も引き続き含有成分の分析および抗菌活性試験を行っている。また本年度で確立したモレキュラーネットワーク解析を駆使することで、蜂産品を始めとして、本研究室で所有している機能性食品素材のライブラリーの網羅的な成分プロファイルの解析に取り組んでいく予定である。生理活性評価に関しても、本年度も引き続き、抗痛風作用に加えて、抗パーキンソン病効果を評価していく。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] インドネシア大学(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      インドネシア大学
  • [国際共同研究] ブラパ大学(タイ)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      ブラパ大学
  • [国際共同研究] 東亜大学(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      東亜大学
  • [雑誌論文] New compound from the plant origin of propolis from Lombok, Indonesia and its antibacterial activity2022

    • 著者名/発表者名
      Sayaka Mizuno, Ryo Miyata, Kazuma Mukaide, Sari Honda, Agus Sukito, Muhamad Sahlan, Tohru Taniguchi, Shigenori Kumazawa
    • 雑誌名

      Results in Chemistry

      巻: 4 ページ: 100276

    • DOI

      10.1016/j.rechem.2021.100276

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Chemical Profiles of Korean Bee Pollens and Their Catechol-O-methyltransferase Inhibitory Activities2022

    • 著者名/発表者名
      Ryo Miyata, Sara Hoshino, Mok-Ryeon Ahn, Shigenori Kumazawa
    • 雑誌名

      Journal of Agricultural and Food Chemistry

      巻: 70 ページ: 1174-1181

    • DOI

      10.1021/acs.jafc.1c07778

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Catechol-O-Methyltransferase Inhibitors Isolated From Thai Propolis2021

    • 著者名/発表者名
      Ryo Miyata, Tomoharu Motoyama, Shogo Nakano, Sohei Ito, Kazuma Mukaide, Boonyadist Vongsak, Shigenori Kumazawa
    • 雑誌名

      Natural Product Communications

      巻: 16 ページ: 1-5

    • DOI

      10.1177/1934578X211050273

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] クマリンおよびベンゾフラン類縁体の分岐型合成2021

    • 著者名/発表者名
      宮田 椋、繁田 尭、熊澤 茂則、江木 正浩
    • 学会等名
      第50回複素環化学討論会
  • [学会発表] Plant origin of Indonesian propolis: New compound and its antibacterial activity2021

    • 著者名/発表者名
      Sayaka Mizuno, Ryo Miyata, Sari Honda, Muhamad Sahlan, Agus Sukito, Tohru Taniguchi, Shigenori Kumazawa
    • 学会等名
      International Propolis Research Group Conference 2021
    • 国際学会
  • [学会発表] 韓国産ビーポーレンに含まれるポリアミド類のCOMT阻害活性2021

    • 著者名/発表者名
      星野 紗来、 宮田 椋、 安 木蓮、 熊澤 茂則
    • 学会等名
      第12回岐阜薬科大学機能性健康食品研究講演会

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公開日: 2022-12-28  

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