研究課題/領域番号 |
20J23851
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
横井 れみ 東北工業大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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キーワード | 大脳皮質オルガノイド / 疾患iPS細胞 / 微小電極アレイ |
研究実績の概要 |
初年度は、疾患iPS細胞および健常者iPS細胞を用いて、2次元神経ネットワークの培養、および脳オルガノイドの作製条件の検討を行い、自発活動ならびに既知薬剤投与による電気活動特性の評価を行った。5種類以上の疾患iPS細胞と健常者iPS細胞を用いて、分散培養下にて神経ネットワークの作製を行った。iPS株により分化効率、形態、電気活動発生の有無や時期が異なることがわかった。疾患iPS細胞由来ニューロンと健常者iPSニューロンの2次元培養系において、自発活動頻度および抗てんかん薬の反応性が異なっていることがわかった。ただし、株間差ではなく、疾患間差であることを言うためには、複数の株で共通する特性を見出す必要があることが示唆された。脳オルガノイドの作製に関して、今年度は、まず、iPS細胞の選定と未分化状態を維持する為の培地条件の検討を行い、脳オルガノイドのプロトコルを作成した。作製したオルガノイドの切片を各種マーカーで染色した結果、大脳皮質マーカーおよびニューロンマーカーにより、大脳皮質組織が形成されていることが確認された。また、脳オルガノイドの微小電極アレイ計測により、自発活動および薬剤に対する応答を検出した。スパイク成分を除いた250Hz以下の低周波成分にオルガノイドの活動および薬剤応答が現れることがわかった。ウエーブレット変換等の周波数解析法を用いて、抗てんかん薬であるフェニトインとぺランパネルの応答性の違いを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
疾患iPS細胞および健常者由来iPS細胞の2次元神経ネットワークの培養および脳オルガノイドの作製ができ、薬剤応答性の違いを検出できたことから、概ね順調に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
2次元培養および脳オルガノイドのデータを蓄積し、株間差ではない、疾患特異的な応答性を明らかにしてゆく予定である。
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