今後の研究の推進方策 |
64細胞期に発現を始める調節遺伝子30個(23の異なる発現パターンを示す)を対象にそれぞれの発現調節機構を解明する。32細胞期の場合と同様にそれぞれの下流遺伝子ごとに発現を説明できる上流因子の組合せを明らかにする。上流因子と下流の調節遺伝子の数は限られており、また32細胞期の研究において確立した方法論が適用できることから、本研究計画は十分に実現可能であると考えている。実際には、30個全ての調節遺伝子についての解析を同時に進めることは時間的に困難だと考えられる。まずは、組織の特殊化に関わるキー遺伝子(T, Mrf, Twist-r.aなど)を含む12遺伝子についてそれぞれの発現を説明できる上流因子の組合せを明らかにしていく予定である。 上流因子の候補として、母性因子、16細胞期から発現を始める調節因子、32細胞期から発現を始める調節因子が挙げられる。これまでに調節因子の機能阻害にはMOを用いてきた。しかし、32細胞期に発現を始める調節因子13個に対しては、有効なMOがないものがある。そこで、それらの調節因子に対してはゲノム編集技術(TALEN,CRISPR/Cas9)を用いた機能阻害を考えている。受入研究室において、これらのゲノム編集技術はすでに確立されている。
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