研究課題/領域番号 |
20J40296
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
谷口 委代 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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キーワード | マラリア / ネズミマラリア原虫 / 脳マラリア / 腸内細菌叢 / 腸内環境 |
研究実績の概要 |
マラリア感染への腸内細菌の関与は国際的に非常に注目されており、近年、報告がなされているが、腸内細菌がどのようにマラリア感染病態に影響を与えているのか、その詳細に関してはほとんど分かっていない。また感染により消化器症状、小腸病変、粘膜バリアーの損傷、腸内細菌叢の劇的な変化が起こるマラリア感染では、腸内細菌だけではなく、他の要素を含む腸管腔内の環境に影響を与える複数因子の関与が想定される。本研究では、腸内環境理解に基づく新規マラリア感染防御機構を解明することを目的としている。本年度は、これまでに得られている結果および腸内環境に影響を与えることが報告されている因子のうち、抗生剤を用いて検討を行った。抗生剤の自由飲水投与により腸内細菌叢を顕著に変化させたC57BL/6マウスにPlasmodium berghei ANKA株(PbA)を感染させると、脳浮腫および血液脳関門の破綻が有意に軽症化して、7~8割のマウスが脳マラリアによる致死を回避した。抗生剤投与により変化した腸内細菌叢のPbA感染への影響を、無菌マウスへ糞便移植することによりSPF環境下で検討を試みたが、腸内細菌叢の定着および、移植した菌叢によるPbAの軽症化を確認することはできなかった。抗生剤投与による腸内細菌叢の変化について、次世代シーケンサーを用いた16S rRNA遺伝子による菌叢解析を行い、抗生剤投与および非投与マウス間の比較からPbA感染病態形成に関与する可能性のある腸内細菌を特定することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ネズミマラリア原虫Plasmodium berghei ANKA株感染における病態形成に関与するであろう腸内細菌を特定したことは、腸内環境理解に基づく新規マラリア感染防御機構を明らかにする上での大きな成果と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、マラリアの病態を変える腸内環境因子の探索、腸内細菌叢が免疫系に与える影響の解析を進めるとともに、今後、無菌環境下で、特定した菌を用いて検討を行う。
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