前期パーフィットの人格論に関する研究は多数見受けられるが、前期の倫理学説の全体像を捉えた研究は必ずしも多くはない。この意味で、前期パーフィットの倫理学説全般に論及した本研究は、パーフィット研究において一定の意義を持ち得ると思われる。また本研究では、後期パーフィットの倫理学説に関しても総合的な検討を行ったが、On What Matters(2011-2017)は出版が完了してからまだそれほど年月が経過していないこともあり、総合的な研究論文は多くない。この意味で、OWMにおける倫理学説の全般にわたり検討を行った本研究は、後期パーフィットの研究という観点においても一定の意義を有すると思われる。
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