本研究の最終年度においては、研究の成果として、論文「正義論 平等な自由は誰のものか」を共著(神崎宣次・佐藤靜・寺本剛編『倫理学』昭和堂、2023年)の一章の一部として公刊することができた。また、論文「ジェンダー正義への責任 ロールズ「財産所有のデモクラシー」の可能性」を共著(國部克彦・後藤玲子編著『責任という倫理 不安の時代に問う』ミネルヴァ書房、2023年)の一章として公刊することができた。また、当該共著の出版記念シンポジウム(2023年12月2日、於 東京大学)において、当該論文の内容を「ジェンダー正義への責任」というタイトルで口頭発表し、フロアの参加者との質疑応答に取り組むことができた。 また、2023年11月にはハーバード大学図書館が保有するロールズ・アーカイブの資料収集に赴き、ロールズが財産所有のデモクラシーに関して残した資料を集めることができた。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果として、2024年7月に韓国で開催される第31回IVR(法哲学・社会哲学世界大会)の基調講演"Gender Equality and Rawls’s Political Liberalism: Our common aspirations"を予定しており、また、2025年中の単著の刊行へ向けた準備を進めている。
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