研究課題/領域番号 |
20K00047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐久間 秀範 筑波大学, 人文社会系(名誉教授), 名誉教授 (90225839)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 玄奘 / インド唯識思想 / 中国唯識教学 / 日本法相教学 |
研究成果の概要 |
玄奘がインドに留学する以前のインド唯識思想は現存する梵語原典(=蔵語訳)によって推定できる。その後玄奘留学当時までに新たに展開していた思想は、中国に帰国当初の玄奘訳『摂大乗論無性釈』に見られる。それは玄奘訳が蔵訳に存在しない思想を加えている部分に見いだすことができる。その後の玄奘訳『仏地経論』もまた蔵語訳『仏地経論』に存在しない多くの思想が加えられ、しかも玄奘訳『摂大乗論無性釈』で提示した思想内容を玄奘自身が修正している。さらに修正した内容は後の唯識法相教学の正当説へと発展している。翻訳の時系列順に玄奘自身が思想的な変貌を遂げたと見られ点をかなりの精度で明らかにできた。
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自由記述の分野 |
インド学仏教学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来中国唯識教学と日本法相教学の内容はインド唯識思想と同等と信じられ、唯識法相教学を遡る形でインド唯識思想が理解されてきた。ところが両者に思想的な開きがあることが近年解ってきた。その変化の中心にいるのが玄奘であることを実証的に研究することはまれであった。本研究によってインドと中国・日本の異質性を生んだのが玄奘自身の思想的変貌であることの解明できたことは学術的意義がある。さらにはインドの考え方と中国および日本の考え方の違いも、玄奘の思想的変貌を見ることで感じ取れるようになったことには社会的意義がある。
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