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2020 年度 実施状況報告書

漢唐国家祭祀の神神―五帝を中心として

研究課題

研究課題/領域番号 20K00057
研究機関九州大学

研究代表者

南澤 良彦  九州大学, 人文科学研究院, 教授 (50304465)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード五帝 / 国家祭祀 / 漢唐
研究実績の概要

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により研究環境が大きく変化する中、本研究はまず、唐代の国家祭祀体系の詳細と成立過程、及びその中の五帝体系と理論を再確認し、唐代における五帝概念形成の概要を把握することとした。その上で(1)戦国時代~前漢武帝期、(2)王莽期~後漢前期、(3)後漢中後期~魏晋時代、(4)南北朝時代の各時期における五帝に関する諸問題を研究する。
本年度は、唐代における五帝理論と、『礼記』月令の五帝の歴史的背景の研究を行った。具体的に述べれば、唐代において孔穎達が『五経正義』の中で五帝に関する鄭玄と王粛の学説を折衷して理論化した詳細と、『開元礼』がどのように五帝の祭祀を国家祭祀体系の中に組み込んだかについて研究した。これによって唐代の国家祭祀体系とその成立過程、及びその中に組み込まれた五帝体系と理論を精密に検証し、唐代的な五帝概念の特質を解明した。
次に、唐代以降、近代に至るまでの五帝概念が唐代的な五帝概念の影響下にあったとの認識のもと、その影響を極力排除して、『礼記』月令の五帝の歴史的背景を研究した。すなわち、武帝期における五帝の属性を確認し、その上で20世紀以降、中国各地から相次いで出土し、近年研究が盛んになってきた新出土資料、郊祀歌、天文資料等を手掛かりに、明堂月令の成立年代、方所神と天神とのそれぞれ独自の属性、及びその相互関係等を検討し、また、前漢の文帝時期から武帝の泰山明堂に至るまでの五帝祭祀に注目し、戦国時代から前漢武帝期に至るまでの国家祭祀と五帝を研究した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

今般の新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大は、研究者にとっても未曾有の事態であり、研究環境に大きな変化が生じたため、当初の研究計画は大幅に見直さざるを得なくなり、進捗状況は思わしくなかった。

今後の研究の推進方策

今般の新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大の影響により、当初の研究計画は見直し、組み直しを余儀なくされたが、所期の成果を達成すべく、本研究を遂行していく方針である。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染状況の世界的な動向を慎重に見極めつつ、予期していない事態が起きても、柔軟に対処し、研究を遂行していく。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大により、当初の研究計画を大幅に見直す必要が生じ、それにともない科研費の使用計画も慎重に見直した結果、次年度使用額が生じた。
(使用計画)
新型コロナウイルス感染症の感染状況の世界的な動向を慎重に見極め、次年度以降、順次使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Han Scholarship in the Northern and Southern Dynasties: Tradition and Innovation to Be Seen in the Ming-t'ang2021

    • 著者名/発表者名
      MINAMIZAWA Yoshihiko
    • 雑誌名

      ACTA ASIATICA: Bulletin of the Institute of Eastern Culture

      巻: 120 ページ: 25-49

    • 査読あり / 国際共著
  • [図書] 漢学とは何か:漢唐および清中後期の学術世界2020

    • 著者名/発表者名
      南澤良彦、川原秀城、井ノ口哲也、平澤歩、田中良明、古橋紀宏、池田恭哉、木下鉄矢、水上雅晴、陳捷、新居洋子、渡辺純成、志野好伸
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      勉誠出版
    • ISBN
      978-4585227151

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公開日: 2021-12-27  

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