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2021 年度 実施状況報告書

ピューリタニズムの寛容論から構築される多文化共生の今日的原理

研究課題

研究課題/領域番号 20K00108
研究機関国際基督教大学

研究代表者

森本 あんり  国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10317349)

研究分担者 岩井 淳  静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (70201944)
竹澤 祐丈  京都大学, 経済学研究科, 准教授 (60362571)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード寛容 / ピューリタン / イスラム / 新渡戸稲造
研究実績の概要

2021年度も、コロナ感染拡大防止のため、研究活動の展開にさまざまな支障をきたした。研究会の開催はすべてオンラインとなり、遠方からの出席が可能になるなどの利点も生じたが、直接の対面による意見交換の機会は失われたままである。
その中でも、研究代表者と研究分担者が共同で所属し企画を担っている学会活動は積極的に続けられた。本研究計画の主たる活動プラットフォームである日本ピューリタニズム学会では、2022年度の学術研究大会シンポジウム「新渡戸稲造を読み直す」に合わせた読書会が開催され、新渡戸稲造『西洋の事情と思想』(講談社学術文庫)が3回実施され、宗教、日本思想、文学、歴史学、社会科学などさまざまな分野からの意見交換がなされた。
研究代表者は、2020年末に刊行委した『不寛容論――アメリカが生んだ共存の哲学』(新潮選書、2020年)をめぐり、いくつかの対談や発表を行った。ピューリタニズムの寛容論という歴史的系譜を軸としつつも、現代の諸局面において寛容と不寛容の交錯を論じたものである。
また、イスラムからの視点については、岩波書店より刊行される『世界歴史』への寄稿を準備した。これは、従来の近代啓蒙史観が見落としてきた20世紀の世界的な宗教復興の潮流を検証し、その解釈軸をアメリカと中東との緊張関係おいて読み解く試みである。イランは20世紀中葉の第二次大戦終結以前から中東のイスラム勢力と西欧の世俗的な自由主義との相克の主戦場であったが、その相克にアメリカのみならずソ連や中国などの勢力が巻き込まれてゆき、9.11の同時多発テロ事件とその後へと連続している。原稿執筆にあたっては、こうしたイスラム側からの世界理解を見直す努力をした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ感染拡大防止のため、研究者間の人的交流がオンラインに限定され、研究目的の調査や出張などが厳しく制限を受けたため。また研究統括者の所属変更にともなう作業に多くの時間と労力を必要としたため。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画を適宜変更修正しつつ進める。研究に必要な物品や書籍の購入も遅滞しているが、感染状況の収束により、今年度は改善するものと考えている。また、研究代表者の出版活動に継起して、学会発表や講演の機会が続く予定である。進捗状況によっては、研究計画年限の延長を申請する可能性を考慮する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染防止で学会活動がオンライン化したため。次年度は学会活動が自由に再開できることを想定して使用する予定である。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件) 図書 (3件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] 「「臨床講義」の今日的意義――20世紀前半の台湾文化協会と民族運動」2022

    • 著者名/発表者名
      岩井淳
    • 雑誌名

      静岡大学人文社会科学部『アジア研究』

      巻: 17 ページ: 3-8

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 『オシアナ』における統合と拡張─ジェームス・ハリントンの属州論における平等性の観点から─2022

    • 著者名/発表者名
      竹澤祐丈
    • 雑誌名

      『立命館法学』

      巻: 2021年第5・6号 ページ: 508-539

  • [雑誌論文] 「宣誓と詐欺――真実をめぐるアメリカ的伝統の逆説」2021

    • 著者名/発表者名
      森本あんり
    • 雑誌名

      ひらく

      巻: 5 ページ: 36-43

  • [学会発表] 「三つのブリテン革命再考――独立革命期におけるピューリタン革命・名誉革命の受容」2022

    • 著者名/発表者名
      岩井淳
    • 学会等名
      イギリス革命史研究会
  • [学会発表] 「リベラリズムの完成と陥穽――ニーバーからハゾニーまで」2021

    • 著者名/発表者名
      森本あんり
    • 学会等名
      「文明構造の転換と日本の戦略」研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 「不寛容論――アメリカが生んだ『共存』の哲学」2021

    • 著者名/発表者名
      森本あんり
    • 学会等名
      研究・イノベーション学会」国際問題分科会
    • 招待講演
  • [学会発表] 「『不寛容論』を書いて分かったこと」2021

    • 著者名/発表者名
      森本あんり
    • 学会等名
      初期アメリカ学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 「分断と陰謀論のアメリカ――ポスト・トランプの時代に」2021

    • 著者名/発表者名
      森本あんり
    • 学会等名
      修学院フォーラム
    • 招待講演
  • [学会発表] 「20世紀前半の台湾文化協会と民族運動――「臨床講義」の今日的意義」2021

    • 著者名/発表者名
      岩井淳
    • 学会等名
      シンポジウム「台湾夢2049――超現代臨床講義」
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 「「三つのブリテン革命」を考える――ピューリタン革命・名誉革命・独立革命」2021

    • 著者名/発表者名
      岩井淳
    • 学会等名
      初期アメリカ研究学会
  • [学会発表] ジョン・デイヴィス(1569-1626)のアイルランド論再考2021

    • 著者名/発表者名
      竹澤祐丈
    • 学会等名
      日本イギリス哲学会関西部会
  • [図書] キリスト教神学命題集2022

    • 著者名/発表者名
      土井 健司、村上 みか、芦名 定道、島田 由紀
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      日本キリスト教団出版局
    • ISBN
      978-4818411043
  • [図書] 『資料と問いから考える歴史総合』2022

    • 著者名/発表者名
      岩井淳・岡田健・川喜田敦子・君島和彦・木村茂光・戸川点・日高智彦・茂木敏夫・安井崇・油井大三郎
    • 総ページ数
      222
    • 出版者
      浜島書店
    • ISBN
      978-4-8343-2104-3
  • [図書] ヨーロッパ複合国家論の可能性2021

    • 著者名/発表者名
      岩井 淳、竹澤 祐丈
    • 総ページ数
      356
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      978-4-623-09060-0
  • [備考] 日本ピューリタニズム学会

    • URL

      http://jpuritanism.com/

  • [備考] 初期アメリカ学会

    • URL

      http://earlyamericanists.jp/

  • [備考] 日本イギリス哲学会

    • URL

      https://jsbph.org/

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公開日: 2022-12-28  

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