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2023 年度 研究成果報告書

自然主義的世界観が持つ形而上学的前提についての研究

研究課題

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研究課題/領域番号 20K00110
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01040:思想史関連
研究機関帝京大学

研究代表者

冲永 荘八  帝京大学, 文学部, 教授 (80269422)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード機械論的世界 / 物理主義 / 生命 / 負のエントリピー / 創発 / 汎心論 / 目的論 / 形成作用
研究成果の概要

研究計画では、進化や生命現象の自然主義的理解の根底においても、自己保存のような生命固有の働きが前提となっている論理構造の究明を目的としていた。
研究ではより具体的に、物理学者のシュレーディンガーがエントロピーに対して負のエントロピーを生命現象の特徴と見なし、物質の機械論的法則の根底に熱力学の統計的法則を据えた議論の特徴と問題点を分析した。これは原子の運動の複合によって説明する機械論的世界と、生命の自発的、秩序形成的性質とを結びつける試みであった。また生物進化における突然変異の偶然性と自発的秩序化との裂け目について、ダーウィニズムや物理主義と、古典的生命論との両方から問題点の解明を行った。

自由記述の分野

哲学・倫理学 思想史

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究成果が関わるのは、物質と生命との裂け目の問題を通じて、物質の無情的・機械論的、客観的性質と、生命の有情的・自発的・主観的性質との断絶をいかにに結びつけるのかという問題であった。これは具体的な生命論を通じて、実在に関する哲学一般の問いに根本的に関わる点で学術的意義があると思われる。
たとえば西田の「形成作用」のように、機械的な物質の属性ではなく反対に純粋に自発的な主体でもない生命の特性を取り上げるとき、この作用は機械論的世界を前提にするとそこから決して帰結し得ないが、作用自体を前提にするならば機械論的世界の方が形成の結果として扱い得て、かつその論理も存在論的に妥当性があることを確認した。

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公開日: 2025-01-30  

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