研究課題/領域番号 |
20K00111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
佐々木 一惠 法政大学, 国際文化学部, 教授 (80547787)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 共同体主義 / ポスト世俗主義 / 公共善 / プロテスタンティズム / アメリカ革新主義 / 有機的共同体 / ジェンダー / セクシュアリティ |
研究成果の概要 |
本研究では、アメリカ合衆国における主流派プロテスタントとリベラル・デモクラシーの関係を、宗教=保守/世俗=リベラルの二項対立を超えた視点から捉えることで、宗教を経由した公共善に基づくリベラルな共同体主義の潮流を、アメリカ思想史の中に位置付けることを試みた。とりわけ19世紀後半に興隆したアングロ・カトリシズムを土台とする共同体主義に注目し、こうした共同体主義がこれまで言われてきた共和主義的な「伝統」の共同体への回帰というよりは、資本主義の台頭により衰退の一途をたどる「コモンズ」の再生の試みであったことを示した。
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自由記述の分野 |
思想史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今、ポスト世俗主義の視点から、宗教と世俗の二項対立に批判的な問いかけがなされている。一方、世俗化については主流派プロテスタンティズムとリベラル・デモクラシーの共犯関係が指摘されている。本研究では、この両者の関係を、宗教=保守/世俗=リベラルといった二項対立的な枠組みを超えた視点から捉え、そこから宗教を経由したリベラルな共同体主義の潮流をアメリカ思想史の中に位置付けた。とりわけ革新主義におけるアングロ・カトリシズムの思想と実践の展開に焦点を当てることで、宗教右派/リベラルや宗教/世俗などの二項対立により不可視化されてきた、多元主義的な共同体主義の潮流を見出した。
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