研究課題/領域番号 |
20K00112
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
加藤 喜之 立教大学, 文学部, 准教授 (00708761)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 思想史 / 哲学 / 宗教学 / キリスト教 / オランダ / スピノザ / デカルト / 十七世紀 |
研究実績の概要 |
研究計画の一回目の延長をした2023年度は、おもに近世オランダにおける三位一体論をめぐる論争を扱った。とりわけ、ユトレヒト大学の保守派神学者マストリヒト(Petrus van Mastricht, 1630-1706)とライデン大学のデカルト派神学教授ウィティキウス(Christoph Wittichius, 1625-1687)、さらにはデカルト派哲学者スミーテルス(Nicolaus Smiterus, 1644/45-?)の著作を分析し、論文を完成させ、海外の学術雑誌に投稿した。現在は査読中である。 また、前年度に行った保守派神学者マストリヒトのデカルト主義批判の著作のテクスト分析は、論文としてBrill傘下にあるChurch History and Religious Culture という海外学術雑誌から刊行された。同様に、保守派神学者マレシウス(Samuel Maresius, 1599-1673)のテクスト分析は、論文として『十七世紀学』The Seventeenth Centuryという Taylor&Francis傘下の学術雑誌から刊行された。 また、23年度は、代表者の本務校から在外研究の機会が与えられ、ケンブリッジ大学クレア・ホールに客員研究員(Visiting Fellow)として在籍し、同時に、London School of EconomicsのReligion and Global Societyというリサーチユニットの研究員としても研究活動をすることができた。英国に滞在できたことは、これまで以上に本研究に必要な資料収集や海外の研究者との連携が進んだ。 イギリスで行った研究は、London School Economicsやプラハのカレル大学などで発表することができ、他の研究者からよいフィードバックを得ることができた。代表者が在外研究で英国に滞在中だったため、明治大学の坂本邦暢博士との共同研究は、オンライン、さらには日本に帰国した際に継続することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で遅れていた研究も、海外への渡航がほぼ平常通り行えるようになったこともあり、前年度以上に研究を進めることができた。とくに23年度は本務校から在外研究の機会が与えられたこともあり、これまで困難であった海外での文献収集や海外の研究者との交流を大いに進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
全体で四年の研究計画であったが、本研究の大部分が新型コロナウイルス感染症の影響を受け進捗が遅れたこともあり、もう一年研究計画を延長し、24年度を本研究課題の最終年度としたい。とくに23年度に代表者の本務校から与えられた在外研究の成果を24年度ではできるだけ発表できる機会としたい。また、引き続き明治大学の坂本邦暢博士との共同研究では、近世オランダにおけるデカルト主義をめぐる論争に関するテクストを分析し、論文とし、海外の学術雑誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
23年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で遅れていた研究も、海外への渡航がほぼ平常通り行えるようになったこともあり、前年度以上に研究を進めることができたが、本研究の大部分が新型コロナウイルス感染症の影響を受け進捗が遅れたこともあり、学術図書などで購入できていない文献があるため、24年度に執行する予定である。
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