遊び、メディア、プレイヤーという三つの観点からデジタルゲームならではの没入の様態を解明した本研究課題は、狭義の虚構世界を生み出すメディア環境の理解に新知見を提供するだけでなく、バーチャル環境(VR、AR)やウェブデザインの設計、情報通信技術(ICT)教育、eラーニングの構築など、ユーザーや参加者の積極的関与と没入が要請される多くの社会実践に対して有益な示唆を与えることができた。さらには、現代のメディア環境に特有であるデジタルゲームの没入の現象を分析することで、フロー状態に関する心理学的研究や、依存症・アディクションをめぐる精神医学的研究との連携を行うこともできた。
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