研究課題/領域番号 |
20K00129
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
二村 淳子 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 講師 (20782452)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | グエン・ヴァン・ト / Ung Hoe / ベトナム藝術 ベトナム芸術 / 阮文素 / ルイ・ウルティック / 東アジア芸術論 / images-forces |
研究実績の概要 |
2020年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、企画していたイベントや調査(とりわけ、フランスのエクス・アン・プロヴァンスにおける海外資料館の調査や、ハノイの資料館での文献取り寄せなど)を実施することができなかった。また、交流会や勉強会などを行うことも叶わなかった。大学の授業も、すべてが遠隔授業になり、報告者は、遠隔授業化のための準備に追われ、研究のための時間も大幅に制限されてしまった。 そこで、2020年度は、すでにまとめた資料を読みやすいように綴ったり、すでに入手した資料を読み直す作業を行った。平行して、フランス国立図書館の電子図書館Gallicaなどを活用し、文献読解を主に行うことにした。ただし、電子図書館で公開されている資料は限られているため、欲しているすべての資料に目を通すことはできなかった(とりわけ、著作権の関係で、1920年以降の資料のアクセスはかなわなかった)。 そうしたなかでも、グエン・ヴァン・ト(Nguyen Van To、阮文素 1889 - 1947)というベトナム知識人の重要な言説をいくつか読むことができた。この人物は、フランス極東学院の助手として、また、致知会の会長として活躍した文化研究者である。申請者が行ったのは、彼の言説のうち、ベトナムの芸術に関するものを読み、如何に、どのように、彼がベトナム芸術を考えていたかということを明らかにする作業である。この知識人グエン・ヴァン・トに関しては、日文研の共同研究会で発表し、共同研究者たちの知見を得ることできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先に述べたように、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年度の主たる活動である海外調査が叶わなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症が下火になれば、すぐに海外へ文献収集などの調査に行きたいと考えている。ただし、現在の段階ではいつ頃に収束するのか見通しがつかないので、本研究を少し修正したほうがよいのではないかと報告者は考えている。 具体的には、現時点ですでに判明していることをまとめ、発表するという方針を来年度に取り入れていきたいと思う(本来であれば、これは研究最終年に行いたかったのだが)。例えば、国際シンポジウム(遠隔)などを通じて、外国語で発表する機会を得たり、学術書ではなく、一般雑誌を通してベトナム近代芸術について幅広く周知する機会を得るようにするという方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、図書館・資料館等への文献調査旅行が実施できなかったために次年度使用額が生じてしまった。次年度使用額に関しては、2021年度の調査旅行費用としてあてたい。
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