研究課題
1.研究発表の進捗と報告 2022年度は、国際シンポをあわせて4本の講演・発表を行った。そのうち、11月にベトナムで開催された仏・越・日国際文化教育会議(@フエ師範大学)では、基調講演を担当することができた。フランス語で行った発表は、反響を呼び、新たな交流を生み出すきっかけとなった。また、夏に赴いたフランス海外文書館(エクス=マヴァン=プロヴァンス)、フランス国立図書館で新たな資料を入手することができ、テクスト読解を進めている。2.書籍の執筆分担 2冊の書籍の分担者となり、当科研テーマの成果発表の場となった。一冊は『近代中国美術の辺界 : 越境する作品、交錯する藝術家』(勉誠出版)に「ベトナム絵画の父と兄―画家ナム・ソンの美術論」を執筆した。もう一冊は『現代ベトナムを知るための63章【第3版】』の美術の章を担当した。3.海外の出版社との接触 フランスの出版社、メゾンヌーヴ社より、当研究成果である(『ベトナム近代美術史:フランス支配下の半世紀』(原書房))をフランス語で出版する機会のオファーを受けた。現在、少しづつ翻訳中であり、2023年度は時間を確保して翻訳を進めたい。4.海外の研究機関との協力 フランスのアジア研究機関IrASIA(@マルセイユ)所長との交流があり、共同研究などの企画を行った。12月にフエ師範大学で行われた国際シンポジウムはそのひとつである。
2: おおむね順調に進展している
コロナ禍によって、予定していた資料調査・現地調査は遅れている。しかし、これまでの研究成果をまとめて発表する機会に多く恵まれた。また、フランス語による出版の企画のオファーもあり、国外にも成果を発信する道が開けた。
2022年度は、数度にわたる講演会などを通じ、主に国内における研究成果の社会還元ができた。2023年度は、国外にも研究成果を発表していきたい。2022年の9月に、東洋学を専門とするフランスの老舗出版社、Maisonneuveから、出版のオファーを受け、現在、書籍『フランス近代美術史:フランス支配下の半世紀』(原書房、2021年)をフランス語に訳している。2023年度までに仏語訳原稿を入稿する予定である。
コロナ禍のために研究予定に支障が生じたために次年度使用額が生じた。2023年度の使用計画としては、①フランス語翻訳作業のネイティブによる修正作業費、②フランス語による研究成果発表(出版)のための諸費用(画像版権などを含む)、③フランス海外文書館での資料収集のための交通費などに用いる予定である。
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