研究課題/領域番号 |
20K00138
|
研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
村井 まや子 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (20347769)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | おとぎ話 / 動物 / 現代美術 / 絵本 / 環境人文学 / 表象文化 / エコクリティシズム / マルチスピーシーズ |
研究実績の概要 |
1. 本研究課題をテーマとする単著 Re-Storying the World for Multispecies Survival: Fairy-Tale Animals in Contemporary Art and Picturebook Illustrations の初稿を、Wayne State University Press(事前出版契約済)に提出した。2. イギリスの学術誌Green Letters: Studies in Ecocriticismの編集部から、おとぎ話研究と環境批評の接点を探る特集号 “Enchanted Environments”(9月刊行)のゲストエディターとして招待され、同号の編集を行い序文を執筆するとともに、単著の論文を寄稿した。3. 本研究課題の成果の一部が、英米の研究者との共著A Cultural History of Fairy Tales in the Modern Age(Andrew Teverson編、Bloomsbury Academic)として7月に出版された。4. イギリスで6月に開催された国際芸術祭Glasgow Internationalに招待され、本研究課題に関するテーマについてアーティストの鴻池朋子氏と対話した映像作品を出展するとともに、おとぎ話とアートのプロジェクトStorytelling Table Runnerの公開ワークショップをオンラインで実施した。5. 国際交流基金シドニー日本文化センターJapan Foundation Sydneyから美術展のキュレーションの依頼を受け、本研究課題に関するテーマで同施設内のギャラリーでグループ展 “Storymakers in Contemporary Japanese Art” を2022年7月から開催することが決まったため、コンセプトの設定、アーティストと作品の選定等の準備を開始した。6. 国内外のアーティストと共同で展覧会やワークショップやトークイベントを実施するための対話を重ね、おとぎ話と多種共生に関する批評と創作を有機的に結びつける方法を探った。7. 本研究課題に関する文献と映像資料の収集、調査を行い、国内外の学会、シンポジウム、研究会、講演会、展覧会等に参加した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の一環で今年度に開催予定であった国際ワークショップ “Re-Storying the World for Multispecies Survival” が、コロナウイルス感染拡大の影響で次年度に延期となった。そのため今年度の経費の一部が次年度以降に繰り越しとなったが、ワークショップの準備自体は参加者とオンラインで進めており、2023年2月に開催を予定している。また、今年度予定していた海外での研究調査も次年度に延期となった。このため、研究計画の一部は次年度に延期となったものの、単著の執筆やオンラインで実施できる部分の研究活動は順調に進めることができたため、4年間の研究期間全体としての進捗状況はおおむね順調に進展していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
1. 単著 Re-Storying the World for Multispecies Survivalの原稿の修正を完了し、2022年度内に最終稿を提出する。2. International Society for Folk Narrative Researchの年次大会(2022年7月、ロンドン芸術大学)でおとぎ話とアートの関係についての基調講演を行う。3. ワークショップ “Re-Storying the World for Multispecies Survival” を2023年2月に開催する。4. 学術誌 Synthesisの編集部からの依頼で、特集号 “Re-Storying the World for Multispecies Survival” をゲストエディターとして編集して序文を執筆するとともに、国内外のアーティストとの対話を寄稿する。2022年12月刊行予定。5. 学術誌Studies in Costume and Performanceの編集部からの依頼で、特集号 “Costume and Fairy Tales” をゲストエディターとして編集して序文を執筆する。2022年12月刊行予定。6. Japan Foundation Sydneyのギャラリーで上述の美術展をキュレーションする。展示の企画、設営、図録作成、トーク等を行う。会期は2022年7月-2023年1月。7.「Storied Environments 物語る環境」と題する国際シンポジウム・展覧会・映画上映会を実行責任者として企画し、2022年10月に神奈川大学で実施する。8. アーティストと連携した研究活動として、鴻池氏と共同で前述のアートとおとぎ話の新たなプロジェクトをシドニーで開始するとともに、アーティストの高田冬彦氏の映像作品のオンライン上映会と公開対談を英日二言語で実施する。9. 本研究課題に関する国内での資料の収集と調査、およびイギリスとインドでの現地調査を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度に開催予定であった国際ワークショップ “Re-Storying the World for Multispecies Survival” が、コロナウイルス感染拡大の影響で次年度に延期となった。そのため今年度の経費の一部が次年度以降に繰り越しとなったが、ワークショップの準備自体は参加者とオンラインで進めており、2023年2月に開催を予定している。同じく今年度予定していた海外での研究調査も次年度に延期となった。
|