研究期間のほとんどが新型コロナウイルスの世界的感染と重なり、当初予定していた調査活動が十分に実施できなかった。のみならず調査対象であった移民第1世代の音楽家や歌手の感染死もあった。しかし、こうした激動は自らの言語や文化を次世代に継承するスピードを上げるべしという風潮につながり、皮肉ではあるが、ボレロ音楽再興や母語継承という本研究への関心が高まることになった。研究代表者の発言や基調講演は、この流れに乗り、ベトナム系移民の興味関心を惹起して、就中カリフォルニア州南部のベトナム語教育関係者に影響を与えることができた。 なお、本研究の社会的意義について、カリフォルニア州選出の上院議員から表彰を受けた。
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