最終年度の2022年は日中国交正常化50周年の節目の年にあたり、本研究を総括しつつ、研究成果を、日中映画交流の歴史と関連付けながら、日中両国において広く発信することを心掛けてきた。論文「日中映画技術の交流の歩み」(大阪大学生産技術研究会へ編『生産と技術』2023年1月)、「日本の映画俳優と中国――国交正常化50周年の思い出」(東方書店『WEB 東方』、2022年11月)をそれぞれ日本のメディアをつうじて発表し、そして中国最大の理論誌『電影芸術』(2022年5月)において、映画評論家佐藤忠男と中国映画界のかかわりについての論考も発表したのである。また、日中両国の学会や研究機関において研究発表を三回ほどおこなってきた。すなわち、2022年5月に日本映像学会「映画ビジネス研究会」において「コロナ下の中国映画市場と、日本映画の上映」を主題とした研究発表をし、2022年11月16日に中国中山大学外国語学院主催第70期学術講演会において「日中映画交流の歴史と現状」をテーマに講演し、大きな反響を得た。中山大学(中国広州)と共催する国際シンポジウム「日本のコンテンツと中国」も企画中である。
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