〈沖縄経験〉を軸とした戦後沖縄写真に関する表象文化の発展的研究

2023 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20K00151
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分01050:美学および芸術論関連
• 研究機関: 琉球大学
• 研究代表者: 小屋敷 琢己 琉球大学, 教育学部, 教授 (20404551)
• 研究分担者: 高科 真紀 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 特任助教 (10723207)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 沖縄写真 / 沖縄経験 / アーカイブズ

研究成果の概要

本研究は、戦後沖縄における写真家の資料を整理・保存することを通じて、その資料の歴史的・社会的意義を明らかにし、関連する文献や資料を収集・分析することによって、沖縄写真史及び戦後沖縄思想史における独自の価値を解明することを目的とした。また、資料特にネガを使ったプリントによって美術展などの展示企画に参加し、写真の意義を社会的・地域的に還元することができた。
さらに、研究成果を、学術誌だけでなく、新聞や雑誌等にも掲載し、広く一般の関心を呼ぶことができた。

自由記述の分野

哲学・思想史

研究成果の学術的意義や社会的意義

戦後の沖縄写真史において、比嘉康雄は写真家として認められているが、阿波根昌鴻は、未だ写真家としては認められてこなかった。従来は比嘉と阿波根との関わりには注目されてこなかったけれども、本研究によって、両者の関連が明らかとなり、その写真及び思想の関連性について論じることができるようになった。また、阿波根の資料の中で写真ネガを整理・保存することによって、そのプリントを活用することができるようになり、これをデジタル化し、プリントを展示する展覧会を複数回実施することができるようになったのも、大きな成果である。近年、阿波根が写真家として広く県内外で認知されるようになってきたのは、大きな社会的意義がある。