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2020 年度 実施状況報告書

微分音を含む音高の組織化と音響の類型化に基づく作曲方法論

研究課題

研究課題/領域番号 20K00209
研究機関東京藝術大学

研究代表者

折笠 敏之  東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (80751479)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード作曲方法論 / CAO(「コンピュータ支援作曲」)
研究実績の概要

本研究課題初年度となる当該年度は、その前提となる、同研究代表者による研究課題(2016 - 2018 基盤研究C「ピッチ理論の微分音領域への拡張とそれに基づく分析的な作曲方法論研究」)の成果を踏まえた課題設定という意味において、関連性・継続性を確認しつつ、改めて先行諸研究の確認、関連資料の整理、及び関連の作品素材の設定と、それを精査しながら構成(創作に応用)していくための小規模なコンピュータ・プログラムの試作に当たった(この過程は本研究課題の期間全般に渡り継続することになる)。
具体的には、微分音を含む音高組織を類型化して扱う水準や方法の検討(前提となる研究課題から引き続き)、CAC(Computer Aided Composition「コンピュータ支援作曲」、仏:CAO)などの開発環境を用いてのプログラムの制作、及びそれを応用した実作(試作)という流れで、適宜、段階に応じた小規模な制作の蓄積を試みた。分析的観点からの「微分音」を含む音高組織の類型的把握、それによって何らかの方法論的な創作を行うことを目的とするが、その類型を網羅的に示すというよりは、作曲者が使用を想定する素材(特定の音組織)を精査する際の分析的な方法を検討しつつ、それに基づき創作の立場から構成論的に作品を構築していくという方向性で、音響解析や機械学習的な手法、Musical Set Theory的な枠組み等も含めた方法の検証と、それによる制作を試みている。
当該年度内には、海外(主にIRCAM「フランス国立音響音楽研究所」等)での調査研究、資料収集を予定していたが、COVID-19感染拡大の影響により、中止せざるを得ない状況となった。
また、研究の進捗状況に応じた試作として、年度内(2月)の作品発表についても計画したが、同様に中止となった。次年度以降の検討課題とする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前提となる研究課題(先述)を踏まえての、研究初年度の課題内容の整理状況としては、おおむね順調に進捗していると思われる。
ただし、先述の通り、COVID-19感染拡大の影響により海外での調査研究の中止を余儀なくされたほか、研究の進捗状況に応じた試作として、当該年度内(2月)に作品発表(試演)についても計画していたが、様々な状況からその演奏機会についても同様に中止せざるを得なかった。特に演奏(作品発表)機会について、代替的な手段の検討を行いつつも、本研究課題関連でのアンサンブル作品等のリハーサルを学内で行えるような条件を整えることがコロナ禍のこの状況下においては極めて難しかったことから、結果的に作品発表の計画自体を中止することとなった。
このような事情により予想外に諸々の検討を要する状況となったことが、研究自体(創作・試作等)の進捗に一定の影響を与えてもいる。
以上を総合的に判断し、やや遅れているものと評価する。

今後の研究の推進方策

文献研究や資料収集、関連作品分析等の基本的な過程を継続し、適宜、研究の進捗に応じた試作(作品素材の設定、コンピュータ・プログラムの制作等含め)・創作を行う。
今後もCOVID-19の影響が長期化することが避けられないと見込まれるため、試作・創作した作品の発表(試演)については、次年度以降、通常の演奏会とは異なる形での対応も含めて検討していくこととなる。必要に応じて、そのための環境整備(最低限の関連備品の購入等)もあわせて行う。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染拡大の影響により、当該年度に予定していた海外での調査研究を中止せざるを得なくなったため、関連の支出(日当、宿泊費など)を見送ることとなった。また、今後の影響の長期化が見込まれることから、次年度以降の関連の研究計画の修正(海外での調査研究日程の変更や、成果発表の形態の変更、それに伴う備品購入計画の変更等)の可能性も鑑み、当該年度予定していた備品の購入を一部延期したため、それらの分を次年度以降の使用額とした。

備考

COVID-19感染状況を鑑み公演(作品初演)が中止された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 【公演中止】コンサート:REAM Vol.5

    • URL

      https://composition.geidai.ac.jp/post/650327904812728321/ream2021feb

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公開日: 2021-12-27  

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