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2021 年度 実施状況報告書

弦楽器ライアーを用いた人智学的音楽療法の芸術療法としての意義

研究課題

研究課題/領域番号 20K00214
研究機関一橋大学

研究代表者

丸田 伯子  一橋大学, 保健センター, 教授 (50343124)

研究分担者 東 ゆかり  鎌倉女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60442133) [辞退]
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード人智学的音楽療法 / シュタイナー教育 / 弦楽器ライアー / 芸術療法
研究実績の概要

「人智学的音楽療法」の芸術療法としての意義について検討する:中でも弦楽器ライアーを用いた芸術療法が臨床的にどのように実践されているのかをドイツで出向いて医療機関での調査を予定していたが、新型コロナの感染拡大が懸念される時期が長引いたことから調査のためのドイツへの渡航は断念した。今回の研究協力者の一人はハーフェルへーエ病院(ベルリン)に勤務する音楽療法家であるが令和4年4月以降、日本の医療機関で音楽療法を実施してもらうことが可能となった。
ライアー演奏家からの知見の蓄積:国内でライアー演奏を専門とする音楽家を探し、令和3年4月以降、ライアーの音楽特性や演奏法、音楽療法への応用の技法などを教示してもらうべく講義を継続して受講した。当該講師はライアーの演奏テキストを出版し、さらに国内で普及を目指し国産ライアーの制作に協力している。
日本における音楽療法の実態と課題:ドイツでは音楽療法が総合病院において治療法として確立されており、それを担うのが公認の音楽療法家である。一方、日本では保険制度の枠内で各種の治療法が認可され、現状で音楽療法は選択可能な治療法とはなっていない(作業療法として実施される)、それも音楽療法の治療方法としての普及を難しくしていると考えられる。「作業療法」に位置づけられる音楽療法が「芸術療法」として認知されるには医療制度の変化も必要であることがわかった。
医療機関における人智的音楽療法の企画:当初予定していた認知症の専門機関及び都内の保育施設については種々の理由により実施が困難となり見送った。別途、ドイツで人智学的音楽療法を実践してきた研究協力者が2022年度に一時帰国することとなったので、医療機関におけるデイケアを企画し、参加者には人智学的音楽療法の体験前後の変化をPOMSを用いて検討することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

1)新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、研究協力者が勤務していたハーフェルへーエ病院を訪れて情報を得ることが困難となり、想定外の事態が生じたことにより研究方法の見直しを余儀なくされた。
2)止むを得ない事情により、当初の研究分担者が交代となったため、再調整が必要となった。

今後の研究の推進方策

2022年度は、ベルリンから一時帰国中の研究協力者に講師を依頼することが可能となったので、都内の精神科病院においてデイケア参加者などのうち希望者を対象として、人智学的音楽療法を複数回実施する予定である。
現在、必要な倫理申請の手続きなどを進めている。実施の際には、研究代表者と新たな研究分担者がファシリテーターである研究協力者に協力するため同席する。実施のペースであるが、現在の予定では、講師の都合上、隔月で週1ないし2回のペースで実施して、初回と最終回にPOMSを実施してその結果を分析することにより効果を検証する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染拡大の懸念が継続したことにより、ドイツにおける実地調査(ベルリンのハーフェルへーへ病院)が見送りと立ったことから、経費使用の目的を大幅に見直す必要が生じた。
次年度使用額については、小石川東京病院における音楽療法クラスの増設とそれに伴う講師への謝金など必要経費、さらに余裕があれば音楽療法クラスで使用する目的でアルトライアー(購入済みのソプラノライアーと音域が異なる)や楽譜、書籍に充当する。

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公開日: 2022-12-28  

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